肉じゃがを試行錯誤し作り続けて1週間。
毎日食卓には肉じゃががおかずとして並んでいた。

「今日も肉じゃが〜？」
「マイキー、文句言うな
　名無しが何か試練を達成しようとしているらしい」

渋々じゃがいもを食べるミケランジェロと仕方なく人参を食べるレオナルド。
その隣には腕を組んでムスッとした顔のラファエロが座っていた。
名無しは取り分け皿に肉じゃがを盛り付け渡す。
今日も失敗作か？と言いながらラファエロはお皿を受け取るとスプーンで汁を掬い口に運んだ。

ハッとしたラファエロの顔。

もうひと口、もうひと口と何度も汁を掬い口に運ぶ。
次第に野菜も次々と口に運んでいった。

「驚いたが悪くねぇ
　よくやったな」

ラファエロが誉めてくれた。それくらい美味しかったみたいだ。
やっと誉めてくれた。

「ラファ...この味で良いんだね！？この味で合ってるんだね！」
「ああ、合ってる」
「嬉しい！」

ガイズも今日の肉じゃがは今までよりとても美味しいと誉めてくれた。


食後、ガイズは寝床でゆっくりしていたり、テレビを見ていたり。
名無しは食事で使った食器を洗っていた。すると、、、

後ろからラファエロが名無しを包む様にシンクに手を着いて覆い被さって来た。

「ラファ！？」
「今までよぉ、せっかく作ってくれてた肉じゃがを失敗作って言って悪かった
　日々美味くなっていくのは判ってて今日のはとびきり美味かった
　さっきはガイズが居たからさりげねぇ言い方しか出来なかったけどよぉ...その...」

ラファエロの言葉が詰まる。

「ラファ？」
名無しはラファエロの顔を確認しようと上を見た時。

チュッ

頬に柔らかい感触が伝わった。

「よく頑張ったな」

ラファエロは覆い被さった自分の体で名無しを隠し、上を向いた隙に、頬にキスをした。
そして直ぐにその場を立ち去る。

名無しの頬には柔らかい感触だけがずっと残っていて顔が熱くなるのがわかった。

ラファってば...！！


その晩名無しはずっとラファエロの柔らかい唇と頬の感触が忘れられないでいました。