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11話 私、ラファにお料理を習います

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少し薄めに味付けたトマトのソースを今度は煮込んでいく。
強火で火をかけた鍋は次第に沸騰し、灰を出した。

「この泡みたいなのは灰と言って苦味やえぐみの元になるから、美味しい料理を作りたかったら取るのが絶対だな」
そう言ってラファエロはお玉で器用に灰汁を掬い上げた。
やってみろと言われてやってみたが水分も一緒に掬っていたので、ラファエロが何度かお手本を見せてくれた。

「まぁ、こういうのは何度もやって身につける物だからな」
ラファエロのお手本で灰汁は全部取り除き終わってしまった。

今から中火より弱めの火で10分煮込んでかき混ぜるを3回。

「こういう煮込み時間の間にやるべき事を探して済ませておくのが後々楽になるんだ
 例えば洗い物を終わらせるとかな
 さっきの話で言ったら、料理は経験が視野を広げるって事だな」
「視野を広げる?」
「沢山料理すれば食材に合う調味料を選べたり、アレンジを思いついたり、時短を考えたりだな
 もっと慣れれば誰もが美味しいと思える料理を考えることも出来る
 習ってるだけじゃそこで止まるだけだ」

確かにラファは料理が出来そうだったから、作ろうとしてた物を頼んでその場で習っただけ。
そのソースをアレンジしたり、他のパスタソースが作れるようになるにはもっと色んなのを作って調理回数を増やさないといけない。
何度も作って、何度も何度も失敗して改善してやっと誰もが美味しいと思えるご飯が、新しいメニューが開発出来るんだ。

ラファエロの言葉は名無しの心に深く刺さった。料理の極め方、奥深さ、コツを教えてくれたのだ。


トマトソースを煮込んでかき混ぜるを2回目。
大分水分が少なくなってきた。
「そしたら、パスタを茹でる為のお湯を沸かす」
別鍋に水を張り、火をかけるラファエロ。

「もしかしてソース作ってる間にパスタ茹でるの?」
「わかってんじゃねぇか」

沸騰したお湯にパスタを入れて茹で始める。
そろそろソースも水分がなくなりトロトロしてきた。よく見るトマトソースが出来上がっていた。
「凄い...煮込んでかき混ぜただけなのにちゃんとソースになってる」
「小麦粉を入れたからトロみが出たんだ
 粉類は水分を調整して、混ぜて加熱すると固形になる物やトロトロになる物があるんだ
 トロみ成分が高い物や低い物もあるから選ぶ時はその料理に合った物が良い」

茹で終わったパスタをお皿に盛り、出来上がったソースをかけた。
最後にパセリを少し振りかけて。

「これでミートソースパスタの完成だ!」
「ラファ凄〜い!!」
名無しも一緒に作ったんだよま...」

具材それぞれが調理の仕方でこんなに変わるだなんて感動もの。
出来上がったミートソースパスタをテーブルに持って行った。
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