リビングの奥にある、壁にNが付いている所に設置されたソファに座りながらテレビを見ていた。

グギュルル〜

「お腹すいたなぁ」

なんとテレビには料理番組が放送されている。美味しいカルボナーラの番組だ。
ソースに溶き卵を素早く混ぜて胡椒を振っている。

美味しそう...。

そんな事を考えながら台所に視線を持って行くと、なんと丁度ラファエロが料理の準備をしているのか食材を並べているところだった。
直ぐさま名無しは立ち上がり台所へ駆け寄る。

「ラファ〜！」
「おお、名無しか？」

小走りで走って来た名無しは軽くラファエロに抱き付くように両腕を甲羅に巻き付けた。
ラファエロは足音で名無しが走ってくるのがわかっていたので振り向かずにいる。

「ねぇ、今何かご飯作ろうとしてない？」
「俺が台所に立って食い物並べてるだけなのにわかったのか？」
「わかるよっ
　いつもラファは手作りご飯たべてるもん」
「...名無しには敵わねぇな
　一緒に食うか？」
「食べるー！」

名無しの満面の笑み。ラファエロはそういうのに弱い。

「...なぁ一緒に作ってみねぇか？」
「え？」
「そのよぉ、この前筋トレ教えた時に俺に料理教わりたいみたいな事言ってたから...」
名無しの顔が固まったが直ぐに表情が変われば。
「良いのぉ！？」
今度は名無しの満面の笑み。そしてキラキラした目。
「お、おう」
ラファエロは今の赤くなった顔を隠すのに精一杯だ。

「それじゃぁ今から俺様が作ろうとしてたミーソースパスタの作り方を教える」
それが食べようとしていたラファエロのお昼ご飯のメニュー。