10話 海から流れる優しい音
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緩やかで透き通った海の波。
名無しはミケランジェロと一緒に柔らかい波の中に足を入れた。
「何か、懐かしい」
ミケランジェロが何かを思い出したかのように口を開いた。
「わからないけどね
何か、懐かしいんだ
匂いとか」
そう言ってその場にしゃがんで海を両手で掬う。ゆっくりと海の香りを味わうと名無しの手を引いてもっと海の奥まで歩き出した。
「ちょっと待ってマイキー!海が深い」
危うく名無しの足が付かない所まで行って溺れかけるとミケランジェロは向き直って名無しを抱きしめた。
「これなら溺れないよ」
ミケランジェロが水面を向くタイミングで名無しを自身の甲羅に乗せる。乗せ方がとても器用だ。
「なんか浦島太郎みたい」
「誰〜?なんとか太郎って」
知り合い?とでも聞いてくるので日本のお伽話を知らないミケランジェロにクスッと笑ってしまった。
名無しを甲羅に乗せて泳ぐミケランジェロ。暫く泳ぐと岩のような大きな珊瑚礁に着いた。足がつかない程深いのでミケランジェロは珊瑚礁を背に甲羅を引っ掛けて、名無しはミケランジェロに向き合って両手で落ちない様に固定されている。
そんな目と鼻の先の距離感に緊張しながらも意識しないように何か会話しなきゃと名無しは思っていた。
「マイキー泳ぎ上手だったね
流石亀」
「泳げるのは当たり前だよ〜」
そう言って笑う名無しに拳を作った手をはいと言って差し出した。
キョトンとする名無しだったが訳も分からず受け取ろうとする手を出す。
「これね、泳いでる間に見つけたんだ〜
名無しに渡したくて」
名無しの手に置いたのは宝石の様に輝くオレンジ色をした石。
「ありがとう
凄く、綺麗...宝石?」
「本物かはわからないけど、綺麗だよね
海って不思議
偶にこういうの落ちてたり、生き物が居て、波を見たり音を聞いてると落ち着いて、香りも懐かしい」
「マイキーが亀だから?」
「亀だけど人と同じように育ったから不思議な感じ」
そう言ってミケランジェロは名無しを抱きしめた。
人と同じ体温を感じる様に...人と同じ身体つきを確かめる様に...何度も名無しに身体を擦り付けながら抱きしめる。
「名無しってフワフワしてるね
背中だけじゃなくて全身フワフワ」
「マイキーも手フワフワだったよ
背中にクリーム塗ってくれてる時マッサージみたいで気持ち良かった」
「本当!?」
ミケランジェロは擦り付けていた身体を勢いよく離して名無しの目と自分の目を合わせた。
そんなミケランジェロの目はとてつもなく輝いていて綺麗だ。
そしてニコッと笑うと見えていた綺麗な目が隠れて名残惜しい。また目が開くんじゃないかと見つめてしまう。
私の見たかった綺麗な目。
「僕の顔に何か付いてる?」
「ううん...」
恥ずかしくて下を向いた。
「名無し」
ミケランジェロに名前を呼ばれると上げた顔に柔らかい物が当たった。おでこに唇が当たってる。
「マイキー...!!」
チュッと音を立てておでこから唇を離した。
「へへっ
我慢出来なくてキスしちゃった
でもおでこだからセーフだよね?」
いつもの笑顔のミケランジェロ。
自分の顔が真っ赤なんじゃないかってくらい熱い。
「恥ずかしいよ...何でキスしたの?」
「え〜?う〜ん...」
ミケランジェロは笑うだけ。いつもの緩やかな彼はニコニコしながら何も言わずに名無しの頭を撫でた。
今この場には2人っきりだから、誰も居ないから出来る事...。
名無しは恥ずかしさの余り俯いて何も喋らなくなってしまった。
「もう戻ろっか」
ミケランジェロも限界。お互い恥ずかしく居心地が悪くなってしまった。
ミケランジェロは名無しを背中に乗せて泳ぎ始めた。
ゆっくり進むはずのスピードが体感あっという間で直ぐ浜辺に着いた。
ガイズにどこ行ってたんだと心配されたけど、ちょっとそこまでとか言ってミケランジェロの末っ子の力で誤魔化している。
今日は楽しかった。そして緊張して凄く疲れた。
帰りも隣にマイキーが座ってたけど心地良い車の振動で眠気に襲われホームに着くまでぐっすりと眠ってしまいました。
nextおまけ
名無しはミケランジェロと一緒に柔らかい波の中に足を入れた。
「何か、懐かしい」
ミケランジェロが何かを思い出したかのように口を開いた。
「わからないけどね
何か、懐かしいんだ
匂いとか」
そう言ってその場にしゃがんで海を両手で掬う。ゆっくりと海の香りを味わうと名無しの手を引いてもっと海の奥まで歩き出した。
「ちょっと待ってマイキー!海が深い」
危うく名無しの足が付かない所まで行って溺れかけるとミケランジェロは向き直って名無しを抱きしめた。
「これなら溺れないよ」
ミケランジェロが水面を向くタイミングで名無しを自身の甲羅に乗せる。乗せ方がとても器用だ。
「なんか浦島太郎みたい」
「誰〜?なんとか太郎って」
知り合い?とでも聞いてくるので日本のお伽話を知らないミケランジェロにクスッと笑ってしまった。
名無しを甲羅に乗せて泳ぐミケランジェロ。暫く泳ぐと岩のような大きな珊瑚礁に着いた。足がつかない程深いのでミケランジェロは珊瑚礁を背に甲羅を引っ掛けて、名無しはミケランジェロに向き合って両手で落ちない様に固定されている。
そんな目と鼻の先の距離感に緊張しながらも意識しないように何か会話しなきゃと名無しは思っていた。
「マイキー泳ぎ上手だったね
流石亀」
「泳げるのは当たり前だよ〜」
そう言って笑う名無しに拳を作った手をはいと言って差し出した。
キョトンとする名無しだったが訳も分からず受け取ろうとする手を出す。
「これね、泳いでる間に見つけたんだ〜
名無しに渡したくて」
名無しの手に置いたのは宝石の様に輝くオレンジ色をした石。
「ありがとう
凄く、綺麗...宝石?」
「本物かはわからないけど、綺麗だよね
海って不思議
偶にこういうの落ちてたり、生き物が居て、波を見たり音を聞いてると落ち着いて、香りも懐かしい」
「マイキーが亀だから?」
「亀だけど人と同じように育ったから不思議な感じ」
そう言ってミケランジェロは名無しを抱きしめた。
人と同じ体温を感じる様に...人と同じ身体つきを確かめる様に...何度も名無しに身体を擦り付けながら抱きしめる。
「名無しってフワフワしてるね
背中だけじゃなくて全身フワフワ」
「マイキーも手フワフワだったよ
背中にクリーム塗ってくれてる時マッサージみたいで気持ち良かった」
「本当!?」
ミケランジェロは擦り付けていた身体を勢いよく離して名無しの目と自分の目を合わせた。
そんなミケランジェロの目はとてつもなく輝いていて綺麗だ。
そしてニコッと笑うと見えていた綺麗な目が隠れて名残惜しい。また目が開くんじゃないかと見つめてしまう。
私の見たかった綺麗な目。
「僕の顔に何か付いてる?」
「ううん...」
恥ずかしくて下を向いた。
「名無し」
ミケランジェロに名前を呼ばれると上げた顔に柔らかい物が当たった。おでこに唇が当たってる。
「マイキー...!!」
チュッと音を立てておでこから唇を離した。
「へへっ
我慢出来なくてキスしちゃった
でもおでこだからセーフだよね?」
いつもの笑顔のミケランジェロ。
自分の顔が真っ赤なんじゃないかってくらい熱い。
「恥ずかしいよ...何でキスしたの?」
「え〜?う〜ん...」
ミケランジェロは笑うだけ。いつもの緩やかな彼はニコニコしながら何も言わずに名無しの頭を撫でた。
今この場には2人っきりだから、誰も居ないから出来る事...。
名無しは恥ずかしさの余り俯いて何も喋らなくなってしまった。
「もう戻ろっか」
ミケランジェロも限界。お互い恥ずかしく居心地が悪くなってしまった。
ミケランジェロは名無しを背中に乗せて泳ぎ始めた。
ゆっくり進むはずのスピードが体感あっという間で直ぐ浜辺に着いた。
ガイズにどこ行ってたんだと心配されたけど、ちょっとそこまでとか言ってミケランジェロの末っ子の力で誤魔化している。
今日は楽しかった。そして緊張して凄く疲れた。
帰りも隣にマイキーが座ってたけど心地良い車の振動で眠気に襲われホームに着くまでぐっすりと眠ってしまいました。
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