「ごめんね...あたし本当は料理下手で...」
感覚も基本すらわからないと自身を正直に話す名無しの頭を撫でた。
「大丈夫、簡単なのから作って少しずつ慣れていこ」

ドニー優しい...！

安心した表情の名無しは微笑んで、その顔を見るドナテロも微笑んだ。

さぁ、続きを作ろう！と意気込んで鍋に手をかける。ほうれん草は台無しになってしまったが、次ば湯豆腐だ。しかし湯豆腐はお湯に浸かって火をかけるだけ。後は薬味を用意する簡単な料理である。
これこそ名無しが作るべきメニューだった。

手際良く湯豆腐を終わらせると次はサラミのチーズ焼き。
これも棒状のサラミを薄く切ってフライパンの上に乗せ、チーズをサラミの上に置いて火にかけるだけの簡単メニューである。
基本的に本日のメニューは簡単な物ばかりだが手間がかかるのはほうれん草だったとドナテロは少し反省した。


遂に完成した試作品。丁度米も炊けると炊飯器を開ければ、水分多めのべちゃべちゃしたご飯が出来上がっていた。
「先ずは名無しは基本の量を覚えてからだね...」
ドナテロも言葉が出ない程の出来に最大のフォローを入れたつもりだがあまりフォローになってない。しかし最先端技術を搭載した自作の炊飯器で作った白米がべちゃべちゃご飯になったのだ。理想とは遠く離れたが少しでも上手く炊飯できる事を名無しに期待する。