工藤さん家の娘さんは目が見えない。
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「なるほど…。」
目の前に座る父が深く呟く。隣の母の雰囲気もあまり良くない気がした。それに胃が痛くなるのを感じながら、洗いざらい吐いてしまった私は項垂れる。
「そんな事になってたなんて…。どうしてお母さん達に言わなかったの。」
「ごめんなさい…。」
母の咎めるような声に肩を竦ませた。この歳になって両親に本気で怒られるのは恥ずかしいやら悔しいやら…。しかも相当心配させてしまったみたいだ。申し訳ない。
「どうするの?あなた。」
「普通に言っても納得しないだろうなぁ…。」
父の唸る声が聞こえる。確かに新ちゃんは言っても聞かないだろう。どうするかと話し合う2人に肩身を狭めながら、心の中で本日何度目かの謝罪を言う。ごめん新ちゃん、ほんとにごめん…。
ソファに浅く腰掛け握りしめたスマホがいつ震えるかと戦々恐々としながら、私は母からの連絡を待っていた。
結局新ちゃんには普通に言っても聞かないだろうからと父と母は芝居を打つことにしたらしい。自分がどれだけ危険なことをしているのかを再確認してもらうためにと芝居の準備している時の2人は結構楽しそうだった。内容は教えて貰えなかったけど、変なことにならなきゃいいなぁ。
「、あ。」
手の中でスマホが鳴った。母からのメールだ。
『新ちゃんにネタばらしするから、米花ホテルに来てね。』
どうやら芝居は終わったらしい。音声で読み上げられた内容にどんどん気分が下がっていく。
新ちゃんは責めるような子ではないが、それでも顔を合わせずらい。しかも多分、この後2人は2人が暮らすアメリカに私達を連れて行こうとするだろう。心配性な母は勿論、何かと甘い父も事件に巻き込まれた子供を置いてはいかない。普通のことだ。でも…。
「…やだなぁ…。」
ポツリ、と覇気のない言葉が零れる。自分のあまりの情けない声音に尚更不甲斐なさが募った。
「ぅぅぅぅ!行きたくないぃぃぃ!!」
堪らず足元のムクを抱きしめる。ジタバタと手足を動かしても現状が変わることはないが、それでも暴れなければやってられない。
ひとしきり叫んでムクとじゃれついた私は1度深呼吸をした。…不安だ。心臓が痛い。でも行くしかない。
今にも倒れそうな身体を何とか起こし、ムクに留守番を頼むと私は玄関へと向かった。
目の前に座る父が深く呟く。隣の母の雰囲気もあまり良くない気がした。それに胃が痛くなるのを感じながら、洗いざらい吐いてしまった私は項垂れる。
「そんな事になってたなんて…。どうしてお母さん達に言わなかったの。」
「ごめんなさい…。」
母の咎めるような声に肩を竦ませた。この歳になって両親に本気で怒られるのは恥ずかしいやら悔しいやら…。しかも相当心配させてしまったみたいだ。申し訳ない。
「どうするの?あなた。」
「普通に言っても納得しないだろうなぁ…。」
父の唸る声が聞こえる。確かに新ちゃんは言っても聞かないだろう。どうするかと話し合う2人に肩身を狭めながら、心の中で本日何度目かの謝罪を言う。ごめん新ちゃん、ほんとにごめん…。
ソファに浅く腰掛け握りしめたスマホがいつ震えるかと戦々恐々としながら、私は母からの連絡を待っていた。
結局新ちゃんには普通に言っても聞かないだろうからと父と母は芝居を打つことにしたらしい。自分がどれだけ危険なことをしているのかを再確認してもらうためにと芝居の準備している時の2人は結構楽しそうだった。内容は教えて貰えなかったけど、変なことにならなきゃいいなぁ。
「、あ。」
手の中でスマホが鳴った。母からのメールだ。
『新ちゃんにネタばらしするから、米花ホテルに来てね。』
どうやら芝居は終わったらしい。音声で読み上げられた内容にどんどん気分が下がっていく。
新ちゃんは責めるような子ではないが、それでも顔を合わせずらい。しかも多分、この後2人は2人が暮らすアメリカに私達を連れて行こうとするだろう。心配性な母は勿論、何かと甘い父も事件に巻き込まれた子供を置いてはいかない。普通のことだ。でも…。
「…やだなぁ…。」
ポツリ、と覇気のない言葉が零れる。自分のあまりの情けない声音に尚更不甲斐なさが募った。
「ぅぅぅぅ!行きたくないぃぃぃ!!」
堪らず足元のムクを抱きしめる。ジタバタと手足を動かしても現状が変わることはないが、それでも暴れなければやってられない。
ひとしきり叫んでムクとじゃれついた私は1度深呼吸をした。…不安だ。心臓が痛い。でも行くしかない。
今にも倒れそうな身体を何とか起こし、ムクに留守番を頼むと私は玄関へと向かった。