工藤さん家の娘さんは目が見えない。
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考えに考えて、結局何を言っても不審に思われると思った私は、何も言わずにブレーカーを落とすことにした。そうすれば心配した蘭ちゃんは部屋を出て私を探しに来てくれる。ムクには悪いがもうそれしか考えつかなかった。
取り敢えず新ちゃんにはその方法でいくとメールを送りブレーカーのあるところまで行くと手探りでスイッチを見つける。その中でも1番端にある大きめのスイッチを切るとブチンと音がした後、我が家からは一切の音が消えた。
大分無理矢理だが何とかなるだろう。リビングの方から聞こえる私を呼ぶ声を聞きながらそっと息を殺した。
何とか新ちゃんのサプライズは成功した。まぁ物凄く心配させてしまったしその後家中ひっくり返す勢いで蘭ちゃんは新ちゃんを探していたが、ここで待っていた時より元気そうになったので良しとして欲しい。
…と言うか新ちゃん、お姉ちゃんへのプレゼントは無いのね。ちょっと、いや結構ショックを受ける私の手をムクが慰めるように舐めてくれた。ありがとう、やっぱり私にはムクが1番だよ。
「それにしても新一、かなえさんにも会って行けば良かったのに直ぐ帰るなんて。」
「あはは、あの子らしいよ。それにそれだけ蘭ちゃんが特別って事だよ。」
私の言葉に慌てたように声を張り上げる蘭ちゃん。かわいいなぁ、ほんと。もう、と息を吐く彼女にごめんごめんと謝りながら置きっぱなしだった紙袋を引き寄せた。ちょっと早いけど新ちゃんのサプライズと合わせて渡しちゃおう。
「蘭ちゃん、はいこれ。ちょっと早いけど私から蘭ちゃんへのクリスマスプレゼント。」
そう言って蘭ちゃんがいる方向にプレゼントを差し出す。さっき教えてくれた新ちゃんの贈り物とは被っていないから大丈夫だと思うけど…。なんか緊張するな。でも喜んでくれたらいいな。
「わぁ!ありがとうございます!」
「お家で開けてね。」
「はい、楽しみにしてます。」
見えないけどきっと満面の笑みなんだろうことが容易に想像できるほど、蘭ちゃんの声は弾んでいた。良かった、喜んでくれた。ほっと胸を撫で下ろし嬉しさと安心で私も微笑む。そのまま他に何を買ったのか聞く蘭ちゃんに、確認ついでに丁度いいかと紙袋に手を入れると、ふと、数が多いことに気づいた。怪訝に思いながらその知らないプレゼントを取り出す。リボンの形も、袋の感じも私が買った物とは違う。…もしかしてデパートで誰かのが間違えて入った?慌ててそれを確認するも見えない私には分からず、申し訳ないも蘭ちゃんに声をかけた。
「ごめん蘭ちゃん。これ買った覚えがないんだけど、何か書いてある?」
「えっと…あ、リボンに『to kanae from HAGIWARA』って書いてあります。」
「萩原さん?」
萩原さんと言えば一緒に今日買い物していたが、まさかプレゼントを買っていたなんて。どのタイミングで買ったのか不思議な気持ちと、少し気恥しい気持ち半々で私は袋を改めて抱え直した。大きさは30cmほどで中は分厚い物が入っているみたいだ。コップ、ではないな。柔らかいし。何だろうかと少しドキドキしながらリボンを解いていった。
「わぁ!」
隣で声を上げた蘭ちゃんに私も息を漏らした。それはふわふわとした毛並みのぬいぐるみだった。形からしてクマ、テディベアだろう。肌触りがよく柔らかいがしっかりとした作りで、丁度腕に収まる大きさだった。きっととても可愛い姿なのだろう。見えないのが悔やまれるが触った感触だけでも満足出来るくらいそのテディベアは良い物だった。
「あ、メッセージカードがある。…かなえさん、これ点字が打ってありますよ!」
「ほんと?」
渡された長方形の小さな紙を指でなぞると、本当に点字が打ってあった。
『サプライズはどうだった?ビックリしただろ。本当なら実用的な物がいいんだろうけど、折角のクリスマスプレゼントにそれは味気ないんじゃないかって思って茶色のテディベアを贈ります。俺だと思って大切に可愛がってね。』
なぞった文にはそう書かれていた。点字付きのメッセージカードなんてデパートではやっていない。だからこれは前々から用意されていた物だろう。それが物凄く嬉しくてテディベアを力強く抱き締めた。
「かなえさん、萩原さんってあの爆弾処理班の方ですよね?」
「そうだよ。」
「お父さんの仕事の時に何回か会ったんですけど、凄くイケメンですよね?!警察の中でも人気って聞いたし、そんな人からサプライズプレゼントって…。かなえさん、もしかして…!」
「違う違う。」
何やらあらぬ誤解を招きそうになっている。手を振って否定すると不満げな声が上がった。お年頃だなぁ。
「でもまさか貰えるとは思わなかったから萩原さんのは何も用意してないや。蘭ちゃん、今度買い物に付き合ってくれない?」
「いいですよ!何贈ります?」
「男の人って何がいいんだろうねー。」
財布、は今日買ってたしやっぱりライターとかかな。難しいと悩む私を尻目に楽しそうに案を出してくれる蘭ちゃんはやっぱり終始勘違いしたままだったし、後日園子ちゃんにまで話がいっていて軽く目眩を起こした。ごめん萩原さん…。
取り敢えず新ちゃんにはその方法でいくとメールを送りブレーカーのあるところまで行くと手探りでスイッチを見つける。その中でも1番端にある大きめのスイッチを切るとブチンと音がした後、我が家からは一切の音が消えた。
大分無理矢理だが何とかなるだろう。リビングの方から聞こえる私を呼ぶ声を聞きながらそっと息を殺した。
何とか新ちゃんのサプライズは成功した。まぁ物凄く心配させてしまったしその後家中ひっくり返す勢いで蘭ちゃんは新ちゃんを探していたが、ここで待っていた時より元気そうになったので良しとして欲しい。
…と言うか新ちゃん、お姉ちゃんへのプレゼントは無いのね。ちょっと、いや結構ショックを受ける私の手をムクが慰めるように舐めてくれた。ありがとう、やっぱり私にはムクが1番だよ。
「それにしても新一、かなえさんにも会って行けば良かったのに直ぐ帰るなんて。」
「あはは、あの子らしいよ。それにそれだけ蘭ちゃんが特別って事だよ。」
私の言葉に慌てたように声を張り上げる蘭ちゃん。かわいいなぁ、ほんと。もう、と息を吐く彼女にごめんごめんと謝りながら置きっぱなしだった紙袋を引き寄せた。ちょっと早いけど新ちゃんのサプライズと合わせて渡しちゃおう。
「蘭ちゃん、はいこれ。ちょっと早いけど私から蘭ちゃんへのクリスマスプレゼント。」
そう言って蘭ちゃんがいる方向にプレゼントを差し出す。さっき教えてくれた新ちゃんの贈り物とは被っていないから大丈夫だと思うけど…。なんか緊張するな。でも喜んでくれたらいいな。
「わぁ!ありがとうございます!」
「お家で開けてね。」
「はい、楽しみにしてます。」
見えないけどきっと満面の笑みなんだろうことが容易に想像できるほど、蘭ちゃんの声は弾んでいた。良かった、喜んでくれた。ほっと胸を撫で下ろし嬉しさと安心で私も微笑む。そのまま他に何を買ったのか聞く蘭ちゃんに、確認ついでに丁度いいかと紙袋に手を入れると、ふと、数が多いことに気づいた。怪訝に思いながらその知らないプレゼントを取り出す。リボンの形も、袋の感じも私が買った物とは違う。…もしかしてデパートで誰かのが間違えて入った?慌ててそれを確認するも見えない私には分からず、申し訳ないも蘭ちゃんに声をかけた。
「ごめん蘭ちゃん。これ買った覚えがないんだけど、何か書いてある?」
「えっと…あ、リボンに『to kanae from HAGIWARA』って書いてあります。」
「萩原さん?」
萩原さんと言えば一緒に今日買い物していたが、まさかプレゼントを買っていたなんて。どのタイミングで買ったのか不思議な気持ちと、少し気恥しい気持ち半々で私は袋を改めて抱え直した。大きさは30cmほどで中は分厚い物が入っているみたいだ。コップ、ではないな。柔らかいし。何だろうかと少しドキドキしながらリボンを解いていった。
「わぁ!」
隣で声を上げた蘭ちゃんに私も息を漏らした。それはふわふわとした毛並みのぬいぐるみだった。形からしてクマ、テディベアだろう。肌触りがよく柔らかいがしっかりとした作りで、丁度腕に収まる大きさだった。きっととても可愛い姿なのだろう。見えないのが悔やまれるが触った感触だけでも満足出来るくらいそのテディベアは良い物だった。
「あ、メッセージカードがある。…かなえさん、これ点字が打ってありますよ!」
「ほんと?」
渡された長方形の小さな紙を指でなぞると、本当に点字が打ってあった。
『サプライズはどうだった?ビックリしただろ。本当なら実用的な物がいいんだろうけど、折角のクリスマスプレゼントにそれは味気ないんじゃないかって思って茶色のテディベアを贈ります。俺だと思って大切に可愛がってね。』
なぞった文にはそう書かれていた。点字付きのメッセージカードなんてデパートではやっていない。だからこれは前々から用意されていた物だろう。それが物凄く嬉しくてテディベアを力強く抱き締めた。
「かなえさん、萩原さんってあの爆弾処理班の方ですよね?」
「そうだよ。」
「お父さんの仕事の時に何回か会ったんですけど、凄くイケメンですよね?!警察の中でも人気って聞いたし、そんな人からサプライズプレゼントって…。かなえさん、もしかして…!」
「違う違う。」
何やらあらぬ誤解を招きそうになっている。手を振って否定すると不満げな声が上がった。お年頃だなぁ。
「でもまさか貰えるとは思わなかったから萩原さんのは何も用意してないや。蘭ちゃん、今度買い物に付き合ってくれない?」
「いいですよ!何贈ります?」
「男の人って何がいいんだろうねー。」
財布、は今日買ってたしやっぱりライターとかかな。難しいと悩む私を尻目に楽しそうに案を出してくれる蘭ちゃんはやっぱり終始勘違いしたままだったし、後日園子ちゃんにまで話がいっていて軽く目眩を起こした。ごめん萩原さん…。