華の元JK、空を飛ぶ
お好きな名前をどうぞ
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今朝は慌ただしかった艇内も夕方近くにはそこかしこでお決まりの言葉が飛び交い、甘い匂いが漂っている。楽しげにはしゃぐ皆を微笑ましく思いながら足取りは軽やかになっていった。
今日はハロウィン。前の世界とはちょっと違うこのイベントを、私も楽しみにしているのだ。
魔女やドラキュラ、狼男にゴーストまで。団員達の仮装は年々クオリティが上がっていて見ていて楽しい。私も前世の知識を活かして傷メイクを最初の頃はしていたのだが、団員が増えていくにつれ情報が行き渡らずに本当に怪我しているのかと心配されることが多くなったので今はもうしていない。でも皆を見てるとこう言う仮装にチャレンジしてもいいかもなと思う。オシャレなデザインの衣装も多いし、特に魔女の服とか凝ってて可愛い。単純に着てみたい。後でグランにでも相談してみようかと1人思いながら食堂へと入った。
「何度見ても凄いな…。」
子供達や飾り付けが好きな団員達が協力して作り少しだけど私も手伝ったそこは、まるで別世界のようになっている。手製の蜘蛛の巣にジャックオーランタン、猫やコウモリなどの装飾が綺麗に飾られている食堂内はいつもと違う雰囲気でワクワクとさせてくれた。
食堂内にいる団員に軽く挨拶をしながら戸棚から用意していた木の籠を取り出す。流行りの物から私のお気に入りの物まで、色とりどりお菓子が入っているのを確認してそれをしっかり手に取った。イタズラも楽しいけど、大半はお菓子が欲しい子ばかりだしね。そう楽しそうにハロウィンの準備をしていた子達の顔を思い出し笑いが零れた。
「楽しそうですね。」
戸棚を閉めていると他の団員と話していたルシオさんがこちらにやって来た。いつも通りの爽やかな笑顔に私も軽く目を細めこの団のハロウィン限定の挨拶を返す。
「ハッピーハロウィン、ルシオさん。」
「ハッピーハロウィンスイ。お菓子の用意ですか?」
「はい。ルシオさんは準備してます?」
「無論。特異点や子供達のイタズラはなるべくなら避けたいですから。」
そう言ってどこからか取り出したお菓子を見せてくれるルシオさんに苦笑が漏れた。確かにグランを含めた子供達のイタズラは年々凄さを増している。小さい子や女の子にはしないためきっとイタズラと言って甘えていのだろうけど、やられている方はなかなか大変そうだった。でもそうか、ルシオさんも被害にあった事があるのか。どんな事をしていたかちょっと見てみたかったかも。
と、考えているとタッタッタッと軽く走り寄ってくる人影が視界に写り込んできた。
「副団長さん、ルシオさん!ハッピーハロウィン!」
「ぴー!」
「ハッピーハロウィン、2人とも。」
「フフ、ハッピーハロウィン。」
現れたのは頭にコウモリの羽を付けたサラちゃんとマミーの仮装をしたダヌアちゃん。その可愛い姿によく似合っていると褒めると嬉しそうに2人は微笑んだ。この2人に限った話では無いが、この団には壮絶な過去や経験をした人が沢山いる。でも今こうやって楽しそうにしている姿を見られると、何と言うか、親心ではないがとても嬉しくなる。私がイベントをもっと好きになった理由にはこう言うことも関係しているのかなと考えていると、ソワソワとこちらを見上げる2人に更に微笑んだ。
「トリックオアトリート!」
「トー!」
「はーい、どうぞ。」
「私からもこれを。」
お決まりのセリフを言うサラちゃんとダヌアちゃんの手にお菓子を渡す。嬉しそうに目を輝かやかせる2人が本当に可愛くてマスクの下の口がゆるゆると緩んでいく。ありがとうと大きな声でお礼を言い駆けていく2人に手を振っていると、ふとそう言えばと口を開く。
「ルナールさんに聞いたんですけど、トリックオアトリートには別の言い方があるそうです。トリックアンドトリートならお菓子をくれたらイタズラする、トリックソウトリートならお菓子をくれたからイタズラする、とかオアの部分を変えるみたいですよ。」
「へぇ…。人間は面白いことを考えますね。」
「ね。誰が作ったかは分からないですけど面白いですよね。」
まぁ使い所はないんですけど、と続けて笑うとルシオさんは暫く考える素振りを見せたあとニッコリとこちらに笑みを向けてきた。
「スイ、トリックイエットトリート。」
「はい?」
「おや、スイが今が教えてくれたではないですか。真ん中を変えれば意味も変わるって。」
まさかこの人がそんな事を言うとは思わず驚いているも、頭はルシオさんが言った言葉を理解しようと動く。
イエット、元いyetとは否定文に使う文言だったはずだ。それがトリックとトリートの間に挟まっていると言うことはつまり…、
「だから、トリックイエットトリート。お菓子はいいのでイタズラさせてくださいね?」
妖しく微笑む美しい男の顔にマスクの下の顔が引きつっていくのが分かった。
今日はハロウィン。前の世界とはちょっと違うこのイベントを、私も楽しみにしているのだ。
魔女やドラキュラ、狼男にゴーストまで。団員達の仮装は年々クオリティが上がっていて見ていて楽しい。私も前世の知識を活かして傷メイクを最初の頃はしていたのだが、団員が増えていくにつれ情報が行き渡らずに本当に怪我しているのかと心配されることが多くなったので今はもうしていない。でも皆を見てるとこう言う仮装にチャレンジしてもいいかもなと思う。オシャレなデザインの衣装も多いし、特に魔女の服とか凝ってて可愛い。単純に着てみたい。後でグランにでも相談してみようかと1人思いながら食堂へと入った。
「何度見ても凄いな…。」
子供達や飾り付けが好きな団員達が協力して作り少しだけど私も手伝ったそこは、まるで別世界のようになっている。手製の蜘蛛の巣にジャックオーランタン、猫やコウモリなどの装飾が綺麗に飾られている食堂内はいつもと違う雰囲気でワクワクとさせてくれた。
食堂内にいる団員に軽く挨拶をしながら戸棚から用意していた木の籠を取り出す。流行りの物から私のお気に入りの物まで、色とりどりお菓子が入っているのを確認してそれをしっかり手に取った。イタズラも楽しいけど、大半はお菓子が欲しい子ばかりだしね。そう楽しそうにハロウィンの準備をしていた子達の顔を思い出し笑いが零れた。
「楽しそうですね。」
戸棚を閉めていると他の団員と話していたルシオさんがこちらにやって来た。いつも通りの爽やかな笑顔に私も軽く目を細めこの団のハロウィン限定の挨拶を返す。
「ハッピーハロウィン、ルシオさん。」
「ハッピーハロウィンスイ。お菓子の用意ですか?」
「はい。ルシオさんは準備してます?」
「無論。特異点や子供達のイタズラはなるべくなら避けたいですから。」
そう言ってどこからか取り出したお菓子を見せてくれるルシオさんに苦笑が漏れた。確かにグランを含めた子供達のイタズラは年々凄さを増している。小さい子や女の子にはしないためきっとイタズラと言って甘えていのだろうけど、やられている方はなかなか大変そうだった。でもそうか、ルシオさんも被害にあった事があるのか。どんな事をしていたかちょっと見てみたかったかも。
と、考えているとタッタッタッと軽く走り寄ってくる人影が視界に写り込んできた。
「副団長さん、ルシオさん!ハッピーハロウィン!」
「ぴー!」
「ハッピーハロウィン、2人とも。」
「フフ、ハッピーハロウィン。」
現れたのは頭にコウモリの羽を付けたサラちゃんとマミーの仮装をしたダヌアちゃん。その可愛い姿によく似合っていると褒めると嬉しそうに2人は微笑んだ。この2人に限った話では無いが、この団には壮絶な過去や経験をした人が沢山いる。でも今こうやって楽しそうにしている姿を見られると、何と言うか、親心ではないがとても嬉しくなる。私がイベントをもっと好きになった理由にはこう言うことも関係しているのかなと考えていると、ソワソワとこちらを見上げる2人に更に微笑んだ。
「トリックオアトリート!」
「トー!」
「はーい、どうぞ。」
「私からもこれを。」
お決まりのセリフを言うサラちゃんとダヌアちゃんの手にお菓子を渡す。嬉しそうに目を輝かやかせる2人が本当に可愛くてマスクの下の口がゆるゆると緩んでいく。ありがとうと大きな声でお礼を言い駆けていく2人に手を振っていると、ふとそう言えばと口を開く。
「ルナールさんに聞いたんですけど、トリックオアトリートには別の言い方があるそうです。トリックアンドトリートならお菓子をくれたらイタズラする、トリックソウトリートならお菓子をくれたからイタズラする、とかオアの部分を変えるみたいですよ。」
「へぇ…。人間は面白いことを考えますね。」
「ね。誰が作ったかは分からないですけど面白いですよね。」
まぁ使い所はないんですけど、と続けて笑うとルシオさんは暫く考える素振りを見せたあとニッコリとこちらに笑みを向けてきた。
「スイ、トリックイエットトリート。」
「はい?」
「おや、スイが今が教えてくれたではないですか。真ん中を変えれば意味も変わるって。」
まさかこの人がそんな事を言うとは思わず驚いているも、頭はルシオさんが言った言葉を理解しようと動く。
イエット、元いyetとは否定文に使う文言だったはずだ。それがトリックとトリートの間に挟まっていると言うことはつまり…、
「だから、トリックイエットトリート。お菓子はいいのでイタズラさせてくださいね?」
妖しく微笑む美しい男の顔にマスクの下の顔が引きつっていくのが分かった。