小ネタ集①
ラセン&ハルク
「うわっ! おい、ラセン! ノックぐらいしてから開けろよ!」
「あ、ハルク……着替えてたんだ」
ラセンはいつもそうだ。
オレが着替えてても動じない。
下着姿を見ても動じない。
……オレのが動揺しまくりで、立場が明らかに逆じゃねェか。
そういや昔、一度だけ逆のパターンがあったっけ。
あの時は、女らしく悲鳴&ビンタを食らったな。
「……で、何の用だ?」
「コレ、兄貴から」
「セツナから?……あ、これ欲しかったやつだ」
「何、貰ったの?」
「吸水速乾の肌着。特訓中、すげェ汗かくからな」
セツナのヤツ、下着には拘りがあるのか詳しいんだよな。
「……ハルクもたまには履けばいいのに」
「ん? 何を?」
「褌」
「ばッ! 誰が履くかよ! てか、お前だって……そんな姿、見たくねェだろ……」
「そんなに気にならないけど? 何て言うか……兄貴で見慣れてる?」
「……マジかよ」
そう言ったものの、考えてみれば妙に納得するものがあった。
流石にラセンは履いてない……よな?
「ちょっと、ハルク! 兄貴を見るような目で見ないでくれる?」
「…………悪りィ……」
END.