小ネタ集⑥
<水着>
「タスク。今度、リコリスと海に行くんだって?」
「そ。だから、水着選んでるんだよ」
そう、とびっきりリコリスに釣り合う水着をな!
美男美女カップルにして、水着もイケイケ!
最高じゃん!
「丈、長いのばっかじゃん」
「お前と違って、オレっちはブーメランとか履かねェの」
「おれもブーメラン履かねーけど」
「意外だな」
「ビキニは着てみたいけど」
そう言いながら、ライは胸を隠す仕草をした。
は?
そっちのかよ。
「妹に借りればいいんじゃねェの?」
「メアのは、フリフリワンピースばっかなんだよ」
「リコリスは、すげーの持ってんだろ?」
オレっちにとっては、どの水着でも堪らなくいいんだよ。
リコリスだから。
けど──
「お前の欲望満たすようなもんはねェって」
その日から、ライはやたらと使用人に絡んでいるらしい。
ビキニを求めて。
「ああ。こんなんで良ければ使っていいぞ」
そう言ったのは、ロゼリアだった。
「おまえ、見掛けによらずハデなもん持ってんのなー」
ライがそう言うのも無理はない。
彼女が渡したのは、金色に輝くビキニだった。
その数分後、ライの悲鳴が屋敷中に響き渡った。
駆け付けると、神々しいライとロゼリアがいた。
あ、神々しく見えたのは例の金の水着か。
「これ……すんげー、ゾワッとする……」
「磨いたのか?」
「……え?」
「これ、錆びやすくてな。磨いてから着ないと、身体に錆びがつくんだよ」
ライがビキニを脱ぐとサビキニ着用していた。
錆とあって、それは暫く落ちなかったとか。
このネタはリコリスも大ウケ!
……もちろん、最大級にカモフラージュして話したけど。
オレっちはリコリスの笑顔を満喫できた。
END.
(2024.08.12)
4/4ページ