小ネタ集⑥




<カブトムシとクワガタ>



「……何これ?」


ライ様が虫かごを覗き込む。


「カブトムシとクワガタと言うらしいぞ」
「セツナ。それ、可愛いのか?」


最近、アイリス様から送られてきたという昆虫。
受け取ったのは、カルロだったが昆虫が苦手とのことで僕が世話係となった。

最初こそ距離感があったのだが、スイカを与えてから距離はグッと縮まった。
スイカに乗り、小刻みに動くその姿はとても可愛らしく見えた。
現に、その姿は他の者達の評判もいい。


「へえ~。そうなのか」


そう呟き、ライ様は去っていった。
その数日後、屋敷にとても巨大な荷物が届いた。
宛名はライ様だった。


「セツナ! おれ、イケてる?」


スイカから頭と手足、それと何故か尻を出したライ様が目の前に現れた。 
どうやってこの状態になったのかが、何よりも気になるところだが……


「なあ、セツナ~」
「ノーコメント──」


そう言い掛けた時、ライ様の元へ勢いよく何かがやってきた。

……カブトムシとクワガタ──!?

ライ様の尻は彼らによって塞がれた。
いい仕事をしているではないか。


「む……なんか尻かゆ……それに腹痛くなって……」


慌ててトイレに向かったライ様だったが、階段で足を踏み外し……ボールのように転がっていった。
その後、暫くは昆虫達の餌となったとか。




END.
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