小ネタ集⑤
「リゼル……少しいいか?」
「いや……今、無理」
そう、俺は今……凄まじい腹痛と戦ってる最中。
そんな中、ドアをノックされ──
“入ってんの、見て分かんだろ! くそがッ!!”
と、怒鳴り散らした。
それで消え失せるかと思えば、相手が悪かった。
「リゼルか! ちょうど良かった! 聞いてくれよー」
ライかよッ!
腹痛と変態の話し相手……
この上ねぇ、苦痛。
世間話ならば、まだ……まだ、辛うじて許せる……まだ、な。
だがな──
「ナンパンツ、どっちのカラーがいいと思う?」
ナンパンツ……ナンパ+パンツの色を聞いてきたり?
「脛毛はツル派か? それとも少々派か?」
知らねぇし!!
「内股と外股、どっちがそそんだ?」
両方、きめぇ!!
と、言ったように苛立ちが募っていく。
極めつけは──
「おれ、今……全裸かどう──」
「どうでもいい!! くたばれッ!!!」
思い切りドアを蹴飛ばした。
……変態野郎はドアと壁に挟まれ、悦び悶えていた。
「……っはぁ……はあっ……こっちはそれどころじゃ……ん?」
苛立ち爆発で気付けば、腹痛もなくなっていた。
「……ストレスだったのかよ」
オレは、そう吐き捨てトイレを後にした。
〈Don't open it, it's Dangerous-開けるな危険-〉
END.