小ネタ集③
*この話はサクラとカグラが幼なじみとして暮らしていたら……な話です。
何度、カグラと“こどもの日”を一緒に過ごした事か。
けど、今年は初めて別々に過ごす。
カグラはオレと違って、凄くモテるから常に隣に男がいる。
“来年も一緒にお祝いしようね”
この約束は……16歳には一風サヨナラって感じ。
「サクラってば。なーに、不貞腐れてるの?」
「カグラ……」
もしかして、約束を──
「あれ? 出掛けんのか?」
「うん。連休だしね」
「親は一緒じゃねぇの?」
「もう高校生だから。パパは……複雑そうだったけど」
あー……カグラの父親、カグラのこと溺愛してるもんな。
悲しんでんの、想像できるんだけど。
オレの父親の母親への溺愛っぷりと、まぁ……いい勝負というか。
「……あ、分かった。男か」
オレの言葉にカグラは照れ笑いをした。
言わなきゃ……良かった。
分かってた……分かってたけど……
「はぁ……なんで、オレじゃねぇんだよ」
今日は“こどもの日”のはずが……
一年で“おとなの日”になっていた。
<サクラとカグラ>
END.