無遊病




──翌日。


「二人とも、おかえりぃ!」
「ただいま……って、これは何?」


ミモザが二人に紙の束を渡す。


「請求書」
「流石だな」
「三人分、まとめておいたから宜しくね」
「やっぱり、ザクロとスーちゃんも見てたんだ?」
「苦痛でしかなかったけど」


そう言うと、ザクロはクスクス笑う。


「私はゾクゾクしてた! 見れば見るだけ、お金が跳ね上がってくんだもんっ!」
「うっわ! 金額、えげつね……」


請求書を手に取り、ギルは微笑む。


「自分のケツは自分で拭えって、ね」
「……アレで良かったのかしら」
「ああ。上等」
「薬中、性病、若者……探すの大変だったのよ」
「よく3日かそこらで探してくれたって感謝してるよ、ミモザ」


ミモザは髪を掻き上げ、微笑む。


「その条件で若者は見付からなかったの。だから、全身整形を施したわ」
「……最高じゃないか」
「貴方の体格になっていたでしょう?……お陰で精神崩壊までしちゃったみたいだけど」
「実に僕好みだったよ」


そう言って、ギルは笑った。



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