呑んデレラ
「……ただいま」
マツバが恐る恐る、玄関ドアを開ける。
すると、部屋の入口に横たわる脚が見えた。
マツバはゆっくりと脚に近付き小さな声で言った。
「レンゲ、大丈夫……?」
その身体は小さく……反応した。
「ただいま」
マツバが再度、言うと4人の男女が奥から出てきた。
「マツバ。こいつと少し出てろ」
「え?」
「これで美味しいものでも食べて?」
戸惑うマツバだったが、言われた通りレンゲと外へ出ていった。
「108年もの…… かなりのレアものじゃねーか!」
「ラッキーでしょ? 餓鬼がまさかこんなもの持ってくるなんて」
「早く開けましょ」
「ハイになりてー!」
一人の男が豪快に坂瓶を開ける。
「ひゃっほー!」
「嫌なこと忘れて、気持ち良くなりましょ!」
──乾杯──
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