「ごめんなさいね。せっかく来てくれたのに。レンゲは今、入院中なのよ」


レンゲの母の言葉、これは嘘。
事前に病院の“リスト”を全部みもが調べたんだもの。

それに……玄関からも漂うお酒の匂い……


「そう、なんですか。それじゃ、御見舞いのものだけ……」
「そんなの受けとれな──」


見舞品がお酒だと分かると、“ありがとう、渡しておくね”とレンゲの母は言った。

ラベルにはアルコール度数、21。
本当の度数は78……
匂いだけで酔いが回りそう……



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