呑んデレラ




「マツバ」
「ザクロ? 話し掛けてくるなんて、珍しいな」


レンゲが学校に来なくなって、数日。
あたしは気になっていたことがあって、マツバに声を掛けた。


「最近、怪我しなくなったね」


マツバは、あたしの言葉に一瞬だけ……動揺した。


「……そうなんだよ。たくさん寝るようになったらさ、怪我減ったんだ」
「…………レンゲは瀕死状態なのに」
「え──」


やっぱり、ね。
レンゲを売って、自分だけ助かる。
……嫌いじゃないけど、下衆ね。
 
 
「あ、ごめん。何でもないの」
「今、レンゲって……」
「最近、お休み続きで心配よね」
「あ、ああ……」


……どんだけアル中に恐怖したの?



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