仮面の正義
「ミモザ」
「ギルと帰ったんじゃなかったの?」
「1度、な」
「戻ってきたんだ。何の為に?」「女心、温かかったなって思ってさ」
「……そうね」
モルテがミモザの肩を抱き、耳元で囁く。
「アレ、どこで覚えたわけ?」
「……自己流。興味あるの?」
「あぁ。すんごく興奮した」
「わたしと同じね」
二人の指が自然と絡まる。
「サフランの電池切れたみたいな悲鳴にも」
「アンジュの表情(かお)もゾクゾクしたわ」
「同じだな」
「同じね」
<仮面の正義>
END.
(2024.06.07)
6/6ページ