ポックリさん




──翌日。


「“ポックリ”さんって、何だよ。変な名前──」


俺がおちゃらけて笑うと、無口のミモザが口を開いた。


「“神様”でしょう」


ミモザの声を俺は初めて聞いた。
透き通った……綺麗な声だった。

彼女は1つ上の学年で、いつも一人でいるのをよく見掛けていた。
気付くと、俺らの輪に入っていた。
それから暫くして、ミモザは生徒会長になった。


「神様、ね。ミモザは何を願ったんだ?」
「秘密。願いという魔法が解けてしまうのは……耐えられないの」
「いいんじゃねぇ? そういうの」


俺の言葉に笑顔で答えてくれた彼女の表情かおは今でも鮮明に覚えてる。



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