仮面の正義




「ミモザ」
「……モルテ」
「生徒会、忙しそうだな」
「まぁね。さっき、一段落ついたとこよ…………それで、喧嘩の原因は分かったの?」
「アンジュは嫉妬」
「そう……サフランは?」


ミモザが振り向くと同時にドアが開く。


「勘、鋭(するど)……」


そう言って、ザクロは笑った。


「えへへ。サフランはね──」
「女心が分かってないんだって、アンジュは」
「もう! ザクロってば! 私が言おうと思ってたのに……」
「僕も知りたいね、女心。……ったく、モルちゃん……僕をおいていくなんて──」
「あら、全員揃ったじゃない」


ミモザが不適に笑う。


「知りたい……」
「ああ」
「感じたい……」
「……胸が高鳴ってる」
「知りたい」


呟き、五人はそれぞれ無言で生徒会室を出ていく。



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