「お前、ミモザに手ぇ出したら……ぶっ殺すよ」


俺はドスを効かせつつ、アルゴの首元に爪を掻き立てる。


「誰だ、君は？」
「見てたよな、音楽室から」


ギルから聞いた情報を元にカマを掛ける。


「……ああ、見ていたよ。ニーナが気に掛けている女を」
「気に掛けている？」


……どうしようもなく、嫌な予感しかしねぇんだけど。


「……何だ、知らないのか。ニーナが至る所で言ってるんだ、“頭の固い会長をどうにかしてあげたい”って」


あー、やっぱどうしようもねぇな。


「てかさ、頭固いのはお前だよ。対価って知ってっか？」



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