祝福の花嫁




「式はどうする?」


彼はそう言いながら、雑誌のページをめくった。


「カスガ、何の話してるの?」
「結婚式。あと一年を切ってるんだ。早く予約しな──」
「結婚って、子供の頃の話よ?」


彼女はそう言って、鼻で笑った。


「……アズサ?」
「子供の頃の約束なんて無効に決まってるじゃない」
「無効?……どうしたんだよ、急に……」
「ずっと思ってた。暗いし、重いし! ウザいの!」



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