天国と地獄
「なぁ、一人に絞れよ。ホラ……」
二人の女の写真を突き付け、リオル先輩の耳元でアドバイスをしてやる。
“想像してみろって。
右の女と自分、足して二で割ってみ?
左の女と自分、足して二で割ってみ?
……どっちが可愛い?”
「あ……み、右……」
「右、な。ほら、次……」
あれからザクロに迫る、リオル先輩を気絶させた。
倉庫に運び、王様椅子に座らせた。
上は迫る針山。
質問をしながら下がってくる、クイズ番組みてぇな仕組み。
俺ってば優しいから、二択にしてやってんの。
「ひ、ひ……左!」
名付けて、リオル先輩の好みトーナメント。
今のところ、毎回選ぶ女が違う。
取っ替え引っ替え遊んでただけ
あるな。
さあ、どんどんいくぜ?
最後の一人になるまで、な。
──足元に散らばる写真が増えていく。
最初は数えてたけど、途中から飽きてやめた。
多すぎんだよな、マジで。
よくもまぁ、こんなに……
「そんじゃ、最後」
二枚の写真をリオル先輩の前に並べると、倉庫のドアを開けた。
そこには二人の女が立っていた。
──最後に残った二人。
アケビと、もう一人……
俺は、予め彼女達を呼び出していた。
「リオル先輩、私──」
アケビが何やら話てっけど、リオル先輩はそれどころじゃねぇな。
迫る天井……人は危機感があればある程、本音が出るもんなんだ。
「──なぁ、リオル先輩? どっちが本命?」
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