「サフラン？　彼と喧嘩したんだって？」
「スフレとザクロ？　どうして知ってるの？」
「みんな噂してる。それにあんたの顔見てると一発で分かるし」


言いながら、ザクロがサフランの頬に触れる。


「そもそも、あたし達って友達でしょ」
「ザクロ、ありがと…………うん、喧嘩中」
「原因なーに？」
「アンジュは……女心が分からないのよ」
「女心、ね」
「心って心臓のことねー！」


そう言うと、スフレはサフランの後ろに回る。


「でーも、確かに──」
「ちょ、スフレ！　どこ触って──」
「相変わらず、大きいなぁ。羨ましー」
「揉まないでってば、もう！」
「心って温かくて……やわらかーい」
「ほんと。スフレの言うとおりね」


サフランを囲うようにして、スフレとザクロが顔を見合わせて笑う。
すると、サフランもつられて笑った。



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