天国と地獄




「リオル?」
「そ。ミモザも好意持ってんのかなって」
「ただの友達よ」


ミモザのその言葉に胸を撫で下ろす。


「よく口説いてくるけど」
「はあ!?」


一気に殺意が芽生えた。
落ち着かねぇと……くそ、あいつ……


「大丈夫よ、モルテ。種は植え付けられてないから」


種の植え付けって、田植え男じゃねぇかよ。
ミモザを口説くって、何なんだよ。


「なぁ、ミモザ。リオル先輩って、どんなやつなんだ?」
「…………素敵な人、って話ね」
「じゃあ、俺は?」


ミモザは言葉の替わりに笑った。



.
3/9ページ
スキ