捻子の友情
「一人は身体の原型とどめてないけど、脳は無事で。一人は脳だけやられた」
「けど、幸い二人は事故の事は覚えていないからな」
事故現場。
清掃され、元通りとなった場所に佇むモルテとギル。
「けど、ギル。かっコ良かったよ」
「惚れ直した?」
「現状維持。にしても、“君の心の中でずっと生きてるよ”か……あの女、ぜってぇギルに惚れたな」
モルテはからかうように笑う。
「嫉妬? モルちゃん?」
「心配だけな」
「つれないね、モルちゃんは」
そう言って、ギルはブーケを投げるように弔いの花束を投げ置いた──
<捻子の友情>
END.
(2024.06.11)
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