Shadow of the departed soul
「わたしも行く」
「は?」
何言ってんだよ、コイツ……
「オレじゃなく、ダチと行けよ」
「ダチ……」
野嶋は俯いた。
……コイツ、ダチいねェのか?
「サラちゃん。うち一緒に行ったるで」
後ろから声がした。
「川田……」
川田は微笑むと野嶋に向き直る。
「うちもなガマンしとってん。怖いけど、二人なら平気やろ?」
「……わたし、姫路くんがいい」
「だから、オレは──」
「姫路くんがいい!!」
野嶋が取り乱す。
「サラちゃん、落ち着いてや!」
「……落ち着いてるよ」
一瞬で野嶋の雰囲気が変わった気がする。
「なあ、一緒に行ったとて入り口止まりやねんで?」
「…………」
野島は、睨むように川田をジッと見ていた。
「オレ、行くから」
生徒達の中を抜けて体育館を出て行く。
全校生徒、約1200人。
こんな状況なら尚更、一人が出た所で気付く奴なんかいない。
「待ってよ!」
野嶋がオレを追ってくる。
しつこい女……
けど、もしコイツが犯人だとしたら?
あの時、証拠を回収する為に来ていたとすれば……
「――!」
犯人は目撃者を必ず消しに来る──
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