Shadow of the departed soul
「…………」
答えは……“NO”だ。
野嶋はオレとほぼ同じに遺体を発見した。
犯人らしい動揺も一切ない。
普段の関わりも全くと言っていい程にない。
噂は聞くが、どれも最悪。
玉子は何かと、絡んでくる。
嫌われていてもおかしくなければ、犯人に陥れられても仕方がない。
岩田。
名前とは裏腹な体格。
確か、運動部に所属していた気がする。
力無くして人は切れない。
砂井野……
喋った事すらない。
普段から、ただならぬ空気を漂わせてる。
コイツが誰かと関わっている姿を一度も見た事がない。
川田は明るく笑顔を絶やさないヤツ。
結構、モテるらしい。
こんなオレでも気に掛けてくれたりする。
コイツなら……信じられるかもしれねェ。
レンナ先輩は、やたらオレに絡んでくる。
それでいて周りには柄の悪そうな男共が常に5、6人はいる。
……オレもそう思われてるみたいだし、人の事は言えねェか。
レンナ先輩というより、周りのヤツが怪しい。
体中が恐怖に震える──
「姫路くん、どこ行くの?」
野嶋が服の裾を掴んできた。
「……便所」
嘘だ。
とにかくココから逃げ出したかった。
家に帰って、色々と落ち着いて考えたい。
そんな事を考えていると、彼女は信じられない事を口にした。
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