I knew you all the time
血生臭い、夜が終わりを告げようとしていた。
犯人が分かった瞬間、大人は一人の少女を狭くて暗い倉庫に閉じ込めた。
それも厳重に。
野嶋は泣き叫びながら訴えていた。
彼女もきっと、オレと同じ。
そういう場所が苦手なんだと思う。
「安心しろよ。オレが傍にいてやっから」
と、ドアに寄りかかる。
「姫路くん、わたしね……」
野嶋は親戚の家での暮らしを淡々と話し始めた。
コイツも苦労してたんだな、くらいに軽く聞いていた。
オレ自身もこの数日、気が気じゃなく眠れない日が続いてたから。
野嶋の声以外は静かで、何も聞こえない──
「ん……」
生温かいものが指先に触れた感触で目が覚めた。
眩しい。
朝になった……のか。
「ってか、何だよ!」
眠い目をこすり、生温かいものの正体を確かめる。
「血……?」
それは、倉庫の中から流れるように出ていた。
「……野嶋──?」
オレは、なりふり構わず扉を叩き壊す。
そこに野嶋が倒れていた。
I knew you all the timeーずっと君を知っていたー....END....
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