The opening of the thing




「あの時と……おな……同じなのか──?」


だとすると、犯人は校内に?

「し、知らせねェと……誰かに知らせねェと──」


体は震えていう事をきいてくれない。
目は、死体から離れない──


「姫路くん、掃除終わった?」


背後から声がした。
恐る恐る振り向くと、野嶋サラが笑顔で立っていた。


「どうしたの?」
「助け──」


言い掛けて、言葉を飲み込んだ。

彼女の手が血塗れだった──


「姫路くん?」


もう一度、彼女の手を見る。
血は見えない……


「…………何でもない……」
「それにしても眩しいね……」


夕陽が彼女の手を赤く染めていたんだと悟る。


「それで、どうしたの?」


オレは震える指で死体を差した。

遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。





The opening of the thingーことの始まりー....END....
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