The opening of the thing
「あの時と……おな……同じなのか──?」
だとすると、犯人は校内に?
「し、知らせねェと……誰かに知らせねェと──」
体は震えていう事をきいてくれない。
目は、死体から離れない──
「姫路くん、掃除終わった?」
背後から声がした。
恐る恐る振り向くと、野嶋サラが笑顔で立っていた。
「どうしたの?」
「助け──」
言い掛けて、言葉を飲み込んだ。
彼女の手が血塗れだった──
「姫路くん?」
もう一度、彼女の手を見る。
血は見えない……
「…………何でもない……」
「それにしても眩しいね……」
夕陽が彼女の手を赤く染めていたんだと悟る。
「それで、どうしたの?」
オレは震える指で死体を差した。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。
The opening of the thingーことの始まりー....END....
3/3ページ