I knew you all the time
パァン──
右手が野嶋の頬を打った。
「痛い……」
野嶋の手からチリトリが滑り落ちた。
「それが痛くて、お前に殺されたヤツはどうなんだよ……」
フラッシュバック──
生き生きと話してる姿。
血塗れで何も話さなくなった姿。
自然と涙が溢れ出てくる……
「どうして、泣いてるの?」
「触んな」
「な……んで?」
「頭で考えろよ……分かんだろ、普通よォ!」
「分からない……分からないよ……」
この時、オレが背中を向けなければ……
野嶋を遠ざけなければ、これ以上の被害は出なかったかもしれない──
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