Butterfly of the noon
「大変だ!!」
その声に飛び起きる。
「何が……?」
「姫路くん、山村先輩がいないって」
胸騒ぎが襲いかかる。
“早く”……と。
「捜しに行く──」
「ダメだよ!」
「止めんじゃねェ、野嶋!」
「校舎内には居ないって、先生が!」
「……心当たりがあるんだよ」
高鳴る胸を懸命に抑える。
「わたしも行く」
「野嶋、ゴメン」
オレは差し伸べられた手を振り払った。
先輩の笑顔が離れない。
先輩……
先輩…………
先輩──……
ピタリと足は止まった。
「山村先輩……?」
山村先輩は電灯に照らされ、花壇に倒れていた。
……Yシャツを首に巻きつけて死んで──
「うわぁぁあああ!!」
目を背けたくても出来ない……
涙は勝手に流れてくる。
「……どうして──?」
涙で濡れたと思われるティッシュペーパーを握りしめて。
ソレは、レンナ先輩へ捧げる花のように見えた。
花は薔薇……
薔薇に見えた理由は言うまでもない──
ヒラリと揚羽蝶が先輩の手に止まる。
「何で……そんなに幸せそうなんだよ……」
Butterfly of the noonー真昼の蝶ー....END....
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