Butterfly of the noon




「アイツの名前を気安く呼ぶんじゃねぇ!」


山村先輩がクラスメイトに掴み掛かる。
止める生徒や教師を次々と殴り倒す。


「壊れちゃったね」
「人間だって完璧じゃねェからな……脆いんだ」


唇が乾燥して震えた。
先輩が怖いんじゃない。
悲しすぎる──


「完璧じゃないから脆い?」
「影響を互いに受けっからな」
「……難しい事、分からないや」
「……あっそ」
「どういう意味?」
「一緒に過ごしてっと趣味だとか性格が似るって話」
「姫路くんって──」
「それ以上は言うな」


やっぱり、オレは真面目キャラじゃねェらしい。
と、山村先輩が乱暴にドアを開けて出て行く。

オレは目で追う。
手は先輩を追うが、足は動かない──



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