Night when I seem to be awfully numb
3階は1年クラスと音楽室が2カ所だけ──
「……誰も居ない?」
当たり前の事なのに静けさが恐怖を煽る。
「教室を捜すか……分担でいいな?」
先輩の指示でオレと野嶋は1年クラス。
先輩は音楽室へ向かった。
「……居ないな」
「別の階かな?」
レンナ先輩はどこにも居なかった。
もしかしたら、音楽室に──
「そっちは……って、聞くまでもないか」
「先輩、居なかったんですね……」
「あぁ……」
と、山村先輩のケータイが光る。
「電話だ……悪い」
先輩は電話に出る。
点滅するランプが微かに床を照らす。
……オレは、違和感を感じた。
「何だ、コレ?」
「何かあるの?」
床に触れる。
「墨?」
さっきは気付かなかった、というよりは見えなかった。
「……レンナ、体育館には来てないって」
「先輩、野嶋……」
野嶋と先輩が床を照らす。
「……血痕だ」
しかも、真新しい──
触れた指先から震えようとするのを必死に堪える。
「レンナのじゃ……ないよな?」
「そんな事、言わないで下さい!」
先輩に叫んだ言葉、それは自身に言い聞かせた。
「とにかく、辿って行こう……」
「うん」
先輩は無言でオレ達の後をついてくる。
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