Night when I seem to be awfully numb




先輩と別れた場所に戻る。
そこには、野嶋がいた。


「レンナ先輩は?」
「友達が見当たらないって捜しに行ったよ」


野嶋は、女生徒二人の顔についた血を拭っていた。


「友達……?」


オレと先輩は顔を見合わせる。


「友達って、誰の事か分かるかな?」
「何も言ってなかったよ」
「何も?」
「うん」
「……どこで知らされたんだろう……友達がいないって」
「ケータイを見てたよ」
「ケータイ……?」


メールを見て、か──?
それで、そのまま3階に……
いや、待てよ……


「先輩、言ってましたよね。レンナ先輩はオレを捜してたって」
「“ケィくん”って言ってたから間違いないと思うけどな……」
「おかしくないか、それ……」
「おかしい?」
「友達=オレ。けど、オレはメールも何も……ケータイ、体育館だし」
「確かに変だな……」


不意に、砂井野の言葉が頭を過ぎる。

“……生臭く赤いな……”

もし……
先輩がオレに助けを求めてたとしたら──?



「レンナ先輩が……危ない……」
「姫路くん、どこに行くの?」
「3階か?」


オレは頷くと階段を駆け上がる。



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