Night when I seem to be awfully numb




「姫路……生臭く赤いな……」


廊下。
すれ違い際に砂井野が言った。

オレは足を止めて砂井野の背中に言う。


「また被害者が二人出たからな」
「……そうじゃない」
「どういう意味だよ!」
「姫路……お前自身が生臭く赤いんだ」
「オレが次に死ぬと言いたいのか?」
「分かるわけないでしょ、そんな事……」
「なら、単なる嫌がらせか?」
「……そうだといいな」
「何だよ、ソレ」


砂井野は満足そうに微笑んで、オレに背を向けた。


「…………嗚呼……生臭い……」


“気味悪いヤツ……”
そう心で呟いて体育館へ向かう。



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