Lunatic Gate
(カイトとエレナ)
「エレナちゃん、これ……あげる」
彼女は少し戸惑いを見せたあと、笑顔を見せた。
「…………カイトくん、ありがとう」
戸惑うのも無理はないだろう。
“この男”からのプレゼントがただの“純白のドレス”ではなく……
明らかに彼女には不似合いな“露出の激しいドレス”なのだから──
「カイトくん」
余程、プレゼントを気に入ってくれたのか。
彼女はその存在がなかったかのように振る舞う。
“エレナ”らしい、な。
「エレナ。急遽、パーティーが開かれる事になった。アイリス様の帰宅と、隣国の公爵との食事会が行われる」
ある日、カルロがエレナを呼んだ。
「分かりました。私も手伝いますね、カルロさん」
「それは大丈夫。ほぼ、完了している。出来ればでいいのですが、君にもパーティーに参加してもらいたい」
「……私が、ですか?」
「そうですよ。パーティーが楽しいものだという事を実感して下さいね」
ついに、“その日”が来る。
そう直感して、僕も直ぐに行動に移した。
「そ……んな……」
屋敷中のドレスを持ち主に対して1着ずつ残し、全て処分した。
それだけじゃない。
街中、いや……世界中からドレスを消した。
エレナ、君はもう“あのドレス”を着るしかないね……?
「……どういうつもりか知らねーけど、おまえから誘われるなんて思わなかったよ」
「ライが恋しくなったんです。いつもたった一人の相手しかしていないので」
「ま、どうでもいいよ。すげー、良かったし」
たった一日、たった数時間。
彼に身体を捧げただけで、事がこんなに上手くいくなんてな。
「なぁ、カイト。もしかして、だけど……ゼノ──」
「彼は消えたんですよ」
……そう、消された。
こいつの彼女、エレナへの思いは
相当ってこと。
だから、壊してやる。
エレナも俺自身(コイツ)も壊してやる──
.
「エレナちゃん、これ……あげる」
彼女は少し戸惑いを見せたあと、笑顔を見せた。
「…………カイトくん、ありがとう」
戸惑うのも無理はないだろう。
“この男”からのプレゼントがただの“純白のドレス”ではなく……
明らかに彼女には不似合いな“露出の激しいドレス”なのだから──
「カイトくん」
余程、プレゼントを気に入ってくれたのか。
彼女はその存在がなかったかのように振る舞う。
“エレナ”らしい、な。
「エレナ。急遽、パーティーが開かれる事になった。アイリス様の帰宅と、隣国の公爵との食事会が行われる」
ある日、カルロがエレナを呼んだ。
「分かりました。私も手伝いますね、カルロさん」
「それは大丈夫。ほぼ、完了している。出来ればでいいのですが、君にもパーティーに参加してもらいたい」
「……私が、ですか?」
「そうですよ。パーティーが楽しいものだという事を実感して下さいね」
ついに、“その日”が来る。
そう直感して、僕も直ぐに行動に移した。
「そ……んな……」
屋敷中のドレスを持ち主に対して1着ずつ残し、全て処分した。
それだけじゃない。
街中、いや……世界中からドレスを消した。
エレナ、君はもう“あのドレス”を着るしかないね……?
「……どういうつもりか知らねーけど、おまえから誘われるなんて思わなかったよ」
「ライが恋しくなったんです。いつもたった一人の相手しかしていないので」
「ま、どうでもいいよ。すげー、良かったし」
たった一日、たった数時間。
彼に身体を捧げただけで、事がこんなに上手くいくなんてな。
「なぁ、カイト。もしかして、だけど……ゼノ──」
「彼は消えたんですよ」
……そう、消された。
こいつの彼女、エレナへの思いは
相当ってこと。
だから、壊してやる。
エレナも俺自身(コイツ)も壊してやる──
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