Lady Alice III
体調を崩した。
朝、起きた時から体が変だなとは思っていたけど、まさか倒れるまで悪いとは思わなかった。
目を覚ますと、白い天井が見えた。
白いベッドで私は寝ていた。ここは保健室に違いない。体を起き上がらせていると、丁度ドアが開く音がした。そして、私のベッドのある方に誰かが走ってくる足音。カーテンが勢い良く開かれる。
「アリス!大丈夫!?」
「クラリス。うん、今は平気…」
「もうびっくりしたよ!いきなり倒れるからー!」
「ごめん。私も倒れるとは思ってなかったから」
「でも、まだ顔色は良くないから帰った方がいいよ。先生が連絡してくれたし、そろそろ迎えの人が来ると思う。あ、これ、アリスの鞄。持ってきたからね」
「ありがとう」
クラリスから鞄を受け取り、礼を言う。すると、始業チャイムが鳴った。それを聞いて、クラリスが慌てる。
「まずい!授業が始まっちゃう。じゃあ、アリス。気をつけて帰ってね」
「うん。クラリスも誰かとぶつからないようにね?」
「わかってるって。じゃあねー!」
クラリスに手を振る。
保健室は、私しかいない。先生はまだ戻っていないようだ。迎えが来るまでは、ここにいればいいか。鞄を横に置いて、私は再び横になる。
お迎え、誰が来るんだろう?カルロかな。でも、今日は外に出かけるって言ってたから違うな。
なんだか眠い。ちょっと寝よう。迎えに来たら、起こしてくれるだろう。そう考えて、私は目を閉じると、あっという間に眠りにつく。
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