Lady Alice X




夜中にふと目を覚ます。
ここ、オレの部屋じゃねェな。そっか。ホテルに泊まってたんだった。

こんな激しく雨が降る夜は、よく悪夢を見ることが多かった。でも、今日は悪夢どころか夢を見なかった。一人で寝ていないせいかもしれない。横から二人分の寝息が聞こえた。二人して安心しきった顔で寝ている。ちょっと無防備、過ぎねェ?本当にオレが危ないヤツだったら、どうすんだよ…。


“ハルクはそんなことしないもん!”

“はあくんは、そういう人じゃないでしょ?”


二人の言葉が思い出される。オレが思っている以上に信用はされてる。信用って、難しいんだよな。
……考えるのはやめて、さっさと寝るか。再び目を閉じると、すぐに眠りに落ちた。



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