Lady Alice X




「リコリスお姉ちゃん!お待たせ…」

「アリス。あら、走って来たの?大丈夫よ。遅れてもちゃんと待っているから」


優しい。外見だけでなく、中身までも素晴らしい。こんな理想を絵に描いたようなお姉ちゃん、どこを探してもいないよね。私は密かに感動していた。すると───



「リコリス。ほら、忘れもん。クロッカスが渡してくれって、オレに頼んで来たぞ」

「あ!鞄に入れたと思っていたら、すっかり忘れてたわ。ありがとう。はあくん」


ハルクがやって来て、リコリスお姉ちゃんに何かを渡していた。
あれ?ハルク、珍しく私服だ。やけにラフな格好だし、どこかに行くのかな?なんて思っていたら、ハルクがこっちを向く。



「アリス。お前、何マヌケな顔してんだよ?」

「マヌケ!?失礼な!もう出かけるなら、早く行けば!」

「……リコリス。アリスにオレのことを言ってねェだろ?」

「アリスの後にはあくんと会ったから、伝えてないわね。アリス。はあくんも一緒でいいかしら?」

「え!?何で」


私はリコリスお姉ちゃんと二人だけだと思っていたのに…。ハルクも来るの!?



「はあくんも一緒に行きたいっていうから、断れなくて」

「オレ、そんなこと言ってねェよ!てか、リコリスが誘って来たんだろ」

「え?でも、アリスと出かけることを伝えたら、行くって言ったじゃない?」

「お前の言い方だとオレが行きたがったみてェじゃん!」

「え(-ω- ?)実際そうでしょ?」


二人のやりとりを見る。リコリスお姉ちゃんとハルクは仲良いよね。同い年だからもあるんだろうけど。だから、よくタスクがハルクのことを睨んで……あーΣ(゜ロ゜;

私は気づいてしまった。少し離れたところから、タスクがこちらを見ていることに。というか、ハルクのことを睨んでるよ!タスクって、リコリスお姉ちゃんのことが好きなんだよね。だからか…。



「リコリスお姉ちゃん、早く行こう?夜から天気が崩れるみたいだし、早く帰らないと帰って来れなくなっちゃうよ」

「あら、はあくんも一緒でいいの?」

「うん。ハルクは荷物持ちとして来るなら、私は構わないよ!ほら、早く行こうよ。リコリスお姉ちゃん」

「アリスの言うとおりね!さ、行きましょうか(*^_^*)」


私はリコリスお姉ちゃんの手を引っ張って、待機している車に乗り、ハルクも助手席に乗り込んでから車は出発をした。





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