Lady Alice Ⅶ




お父さんの書斎から、本を借りて、自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていた。すると、窓のところで頬杖してるアリスがいた。
いつもなら、アリスが私に気づいてくれるのに、今日は何故か私に気づいてくれない。しかも、ひどく落ち込んでいる。



「どうしよう…」


そう呟きながら、ため息をつくアリスの姿。
普通ならば、妹を元気にさせなきゃと思うのが、普通の姉としての対応だと思う。

だけど、私は違う。
あの落ち込んでいるアリスの姿を見て、喜びそうになる。はあー、可愛い!(ノ≧▽≦)ノアリスの後ろから抱きつきたい!!

はっΣ(゚Д゚)思わず手を伸ばしそうになった。


……だめよ。耐えるのよ、リコリス!こんな姿をアリスに見せたら、嫌われてしまうのよ。嫌われたくないでしょ。そんなの当たり前じゃない!アリスに嫌われたら、私、絶対に生きていけないわorz

でも、あの頼りない後ろ姿が私の心ど真ん中に突き刺さるの。あー、抱きつきたい!!(゚∀゚*)(*゚∀゚)

何とか抱きつきたい衝動をぐっと押さえ、平静を装いながら、アリスに声をかけた。



「あら、どうしたの?アリス。元気ないみたいだけど」

「リコリスお姉ちゃん…」


はあー、悩める顔も可愛い!正面からでも抱きしめたいわ!私の天使ー!!(*>∀<*)ノ
すると、アリスが私の服の袖をくいっと掴む。



「お話、聞いてくれる?」

「話?」


可愛い!可愛い!可愛い過ぎるーO(≧∇≦)O
しかも、上目遣いよ!普通ならあざといけど、アリスがやると、可愛いしか出てこない(*≧з≦)
写真、撮りたい!!だけど、そんな非常識なことは出来ないから、心にあるカメラのシャッターをひたすら押しまくるのよ👀📷️✨



「…ええ、いいわよ。談話室に行きましょうか」

「うん…」


はー、もうアリスが尊い🙏
もう私、これだけでご飯3杯は行けるわ!(^q^)もっとください!

談話室に向かう途中、私のお付きメイドであるクロッカスを呼ぶ。お茶とお菓子を談話室に持って来てもらうように頼むと、クロッカスは黙って頷いて、取りに行ってくれた。



「アリス。座って」

「…うん」


談話室に着いて、アリスを座らせ、私も向かい側に座る。すると、クロッカスがやって来て、最高級の紅茶とケーキをテーブルに並べてくれた。

ありがとう!流石ね。クロッカス。
彼女にアイコンタクトすると、クロッカスの方も私だけに見えるように親指を立てた(^^)b



「アリス。ケーキよ。ここのは、すっごくおいしいの。さ、食べてね」

「……」


促しても、アリスは俯いたまま、顔を上げない。



「アリス?」

「お姉ちゃん。私、どうしよう…」


目の前のアリスがようやく顔を上げたと思ったら、その大きな瞳から涙がポロポロと流れていた。泣き顔も可愛い!私はにやけそうになる口元を手で隠す。
だめよ!アリス。それは反則よ(/´△`\)これ以上、お姉ちゃんをニヤニヤさせないで。私はまだあなたに軽蔑されたくはないのよ。



「何があったの?ゆっくりでいいから、話してみて」

「……………あのね、今日やった社会のテストでひどい点を取っちゃったの。こんな点数、パパとママに見せたら、怒られちゃうよ…」

「見せて」


アリスがおずおずと、小さく折りたたんだ紙を広げる。それを手に取って、私は固まってしまった。
先に言っておこう。私はアリスの点数を見て、固まってしまったわけではない!

可愛い(≧▽≦)
何て可愛らしい字なのかしら。名前の字からして可愛い過ぎる。丸まった小さな字。アリスにとても似合うわね。私からしたら、間違っていても、これだけで満点あげたい!(※ダメです!)



「リコリスお姉ちゃん…」

「……」

「………やっぱりひどいよね。リコリスお姉ちゃんが言葉を失うほどなんだもん。お姉ちゃんは、こんなひどい点数は一度も取ったことないもんね。私と全然違うもん…」

「違うのよ!アリス。そうじゃないのよ!」

「だって、用紙を見たまま、固まっていたから」


それはアリスの字に心を奪われたからよ(/ω\)キャー
流石にそれは、アリスには言えないわね( ̄b ̄)



「復習すればいいのよ」

「え?」

「アリスが満足するまで、何回でもね」

「だけど、パパとママにこんなの見せたら、ガッカリさせちゃうよ…」

「今回がだめなら、次に向けて頑張ればいいのよ。テストは一度きりじゃないの。勉強してわからないのなら、私が教えてあげる。アリスが理解出来るようになるまで何度だって、教えるわ!」

「私に教えてくれるの…?」

「ええ!今すぐでもいいわよ」


アリスに笑顔が戻った。
色んな表情も好きだけど、やっぱりこの子には笑った顔が一番似合うわね。



「まずはケーキを食べてからよ。ほら、食べましょう」

「うん!」


ケーキを嬉しそうに食べた後、私はアリスとテストにあった問題を教えていた。アリスは真剣な顔をして、私の説明を聞いていたんだけど、これがまた可愛いいのなんのって…(/▽\)♪
もう鼻血が出そうだわ!でも、堪えて。
アリスにとって、まだまだ憧れのお姉ちゃんでいたいから。





【END】
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