Lady Alice Ⅵ- III
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夜中。私はトイレに行きたくなり、目を覚ます。ジュースを飲み過ぎた!トイレは、部屋から少し離れたところにあるから、廊下を歩かないといけない!寝る前はまだ明るかったけど、今はどうだろう。
ドアを開けて、廊下を見る。暗い!今はもう丑三つ時だから、電気は最低限しかついてない。やっぱりかー。
リコリスお姉ちゃんは戻って来ているが、既に寝ていた。怖いけど、寝てるお姉ちゃんを起こすのも悪いよね。こうなったら、さっさと行ってこよう!私は、すばやく部屋を出る。暗ーい!でも、ここで漏らすなんてことになるよりはマシだー!いけいけゴーゴー!慌ててトイレに向かった。
数分後。
トイレを済ませて、部屋に戻ろうと廊下を歩く。うっ、暗いよー。灯りが少ないから、余計に怖い。早く部屋に戻って、寝よう。早歩きで進む。
「おい」
「ひっ!~~~~~~~っ!!?」
突然、誰かに肩を叩かれ、声を上げようとした。だが、口を押さえられてしまい、声が出せない。抵抗とばかりに私は暴れた。離して!変態!痴漢!
「(バカ。騒ぐな!オレだって…)」
………ん?この声は。
私は暴れるのを止めた。すると、口元にあった手も外れ、後ろを振り返る。
「ハルク。何でここにいるの?」
「好きでここにいるわけじゃねェよ」
いたのは、ハルクだ。
スウェットを着ていたが、上下とも黒だ。暗いから、余計に同化してるし。
「なら、何で?」
「同じ部屋のヤツらのいびきがうるさくて寝れねェんだよ…」
使用人の人達は、私達がいる部屋とは別の棟にあると聞いていたけど、やっぱり部屋は相部屋なんだ。
「カルロと一緒じゃないの?」
「アイツ、しれっと一人部屋をもらってたぜ。こっちの執事長みたいなヤツと仲良くなってな。オレなんて、ちょっと席外して戻ったら、いつの間にか部屋決めが終わってて、勝手に決められてたんだぞ!?」
「ハルクが悪いだけだよ」
「薄情だな」
「事実だもん。それじゃあ、どこで寝るの?」
「暖炉のある部屋に来たけど、鍵しまってた。他の部屋も見たけど、全部鍵かかってやがった。仕方なくあの部屋に戻るしかねェか……というところにお前を見つけたってわけ」
まさか!嫌な予感を覚え、私は去ろうとした。だが、すぐに肩を掴まれ、逃走失敗。
「お前の部屋に泊めさせてくれよ…」
「やだよ!」
「ベッドは二つあんだろ?お前はリコリスと寝ろ」
「お姉ちゃん、もう寝てるもん!」
「リコリスなら、今頃、お前の姿がないって起きてるって。さ、部屋に行くぞ」
ハルクに手を引かれ、部屋へと戻る。リコリスお姉ちゃんが起きてるわけないのにー。
しかし、ハルクの言う通り、部屋に入ると、お姉ちゃんは起きていた。
「アリス!どこに行ってたの!?」
「トイレに…」
「一人は怖かったでしょ?それなら、私を起こしてくれても良かったのに!……あら?はあくん。どうして、ここに?」
「同室のヤツらのいびきで寝られねェんだよ。ここで寝かしてくんないか?」
「それはちょっと、ね…」
ほら、リコリスお姉ちゃんも困ってるじゃない!
すると、ハルクがリコリスお姉ちゃんに近づき、こそこそと小声で話していた。何を話しているのかは、私のところからは聞こえない。
「(リコリス。いいのか?オレにベッドを貸してくれたら、お前はアリスと同じベッドで一緒に寝られるぞ?)」
「(え、それは……いい考えね!( ̄ー ̄)b)」
「(だろ?どうする?)」
「(そんなの決まっているじゃない!(^o^))」
ハルクと話していたリコリスお姉ちゃんが私の方に向き直り、こう言った。
「アリス。ベッドは、はあくんに貸してあげて」
「リコリスお姉ちゃん!?」
さっきと違うんだけど!?ハルクと何を話していたの!?聞いても教えてくれなかった。
うーん、リコリスお姉ちゃんとハルクって、たまに二人しか入れない雰囲気があるんだよね。この二人、やっぱり付き合ってるのかな?でも、それは前に聞いたら、否定されたけど。
「アリス。さあ、私のベッドに入って。一緒に寝ましょう?」
「でも…」
「私と一緒は、嫌?(ノ_・、)」
……うっ。お姉ちゃんが泣きそうな顔で私に訴えてくる。断りづらい!
「もしかして、はあくんとが良かったの?」
「え?」
「は?オレ…?」
何でハルクが出てくるの!?ハルクも驚いた顔してるし。
もしも、ハルクと一緒になんて寝たら、ハルクの寝相が悪くて、私がベッドから落とされちゃうよ!
「リコリスお姉ちゃんがいい!一緒に寝たいなー!」
「良かったわ!それじゃあ、はあくんはアリスが使っていたベッドを使ってね」
「サンキュ、リコリス!」
ハルクが私のベッドに入り、さっさと横になってるし!さっきまで私が使ってたんだから、少しは…!気にしてるのは、私だけ?
「アリス。ほら、早くベッドに入って。冷えたでしょ?」
「う、うん…」
ベッドに入ると、お姉ちゃんに抱きしめられた。相変わらず良い匂いがする。いつもと違うけど、この匂いもリコリスお姉ちゃんに合ってる。
「リコリスお姉ちゃん…」
「ふふっ!」
何かリコリスお姉ちゃん、テンションが高いような…。お酒とか飲んでないよね??まだ成人してないし。
「そういえば、昨日はクリスマスなのに、言うの忘れちゃったわ」
「???」
「メリークリスマス!もうクリスマスは終わってしまったけれど」
「ううん。まだ終わってないよ!だから、私もメリークリスマス!リコリスお姉ちゃん」
私とリコリスお姉ちゃんは、顔を見合わせて笑った。
落ちついた頃、お姉ちゃんが言う。
「おやすみ。アリス…」
「おやすみなさい…」
額に何か柔らかいものが当たった気がするけど、私は確かめることもなく、眠りについた。
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夜中。私はトイレに行きたくなり、目を覚ます。ジュースを飲み過ぎた!トイレは、部屋から少し離れたところにあるから、廊下を歩かないといけない!寝る前はまだ明るかったけど、今はどうだろう。
ドアを開けて、廊下を見る。暗い!今はもう丑三つ時だから、電気は最低限しかついてない。やっぱりかー。
リコリスお姉ちゃんは戻って来ているが、既に寝ていた。怖いけど、寝てるお姉ちゃんを起こすのも悪いよね。こうなったら、さっさと行ってこよう!私は、すばやく部屋を出る。暗ーい!でも、ここで漏らすなんてことになるよりはマシだー!いけいけゴーゴー!慌ててトイレに向かった。
数分後。
トイレを済ませて、部屋に戻ろうと廊下を歩く。うっ、暗いよー。灯りが少ないから、余計に怖い。早く部屋に戻って、寝よう。早歩きで進む。
「おい」
「ひっ!~~~~~~~っ!!?」
突然、誰かに肩を叩かれ、声を上げようとした。だが、口を押さえられてしまい、声が出せない。抵抗とばかりに私は暴れた。離して!変態!痴漢!
「(バカ。騒ぐな!オレだって…)」
………ん?この声は。
私は暴れるのを止めた。すると、口元にあった手も外れ、後ろを振り返る。
「ハルク。何でここにいるの?」
「好きでここにいるわけじゃねェよ」
いたのは、ハルクだ。
スウェットを着ていたが、上下とも黒だ。暗いから、余計に同化してるし。
「なら、何で?」
「同じ部屋のヤツらのいびきがうるさくて寝れねェんだよ…」
使用人の人達は、私達がいる部屋とは別の棟にあると聞いていたけど、やっぱり部屋は相部屋なんだ。
「カルロと一緒じゃないの?」
「アイツ、しれっと一人部屋をもらってたぜ。こっちの執事長みたいなヤツと仲良くなってな。オレなんて、ちょっと席外して戻ったら、いつの間にか部屋決めが終わってて、勝手に決められてたんだぞ!?」
「ハルクが悪いだけだよ」
「薄情だな」
「事実だもん。それじゃあ、どこで寝るの?」
「暖炉のある部屋に来たけど、鍵しまってた。他の部屋も見たけど、全部鍵かかってやがった。仕方なくあの部屋に戻るしかねェか……というところにお前を見つけたってわけ」
まさか!嫌な予感を覚え、私は去ろうとした。だが、すぐに肩を掴まれ、逃走失敗。
「お前の部屋に泊めさせてくれよ…」
「やだよ!」
「ベッドは二つあんだろ?お前はリコリスと寝ろ」
「お姉ちゃん、もう寝てるもん!」
「リコリスなら、今頃、お前の姿がないって起きてるって。さ、部屋に行くぞ」
ハルクに手を引かれ、部屋へと戻る。リコリスお姉ちゃんが起きてるわけないのにー。
しかし、ハルクの言う通り、部屋に入ると、お姉ちゃんは起きていた。
「アリス!どこに行ってたの!?」
「トイレに…」
「一人は怖かったでしょ?それなら、私を起こしてくれても良かったのに!……あら?はあくん。どうして、ここに?」
「同室のヤツらのいびきで寝られねェんだよ。ここで寝かしてくんないか?」
「それはちょっと、ね…」
ほら、リコリスお姉ちゃんも困ってるじゃない!
すると、ハルクがリコリスお姉ちゃんに近づき、こそこそと小声で話していた。何を話しているのかは、私のところからは聞こえない。
「(リコリス。いいのか?オレにベッドを貸してくれたら、お前はアリスと同じベッドで一緒に寝られるぞ?)」
「(え、それは……いい考えね!( ̄ー ̄)b)」
「(だろ?どうする?)」
「(そんなの決まっているじゃない!(^o^))」
ハルクと話していたリコリスお姉ちゃんが私の方に向き直り、こう言った。
「アリス。ベッドは、はあくんに貸してあげて」
「リコリスお姉ちゃん!?」
さっきと違うんだけど!?ハルクと何を話していたの!?聞いても教えてくれなかった。
うーん、リコリスお姉ちゃんとハルクって、たまに二人しか入れない雰囲気があるんだよね。この二人、やっぱり付き合ってるのかな?でも、それは前に聞いたら、否定されたけど。
「アリス。さあ、私のベッドに入って。一緒に寝ましょう?」
「でも…」
「私と一緒は、嫌?(ノ_・、)」
……うっ。お姉ちゃんが泣きそうな顔で私に訴えてくる。断りづらい!
「もしかして、はあくんとが良かったの?」
「え?」
「は?オレ…?」
何でハルクが出てくるの!?ハルクも驚いた顔してるし。
もしも、ハルクと一緒になんて寝たら、ハルクの寝相が悪くて、私がベッドから落とされちゃうよ!
「リコリスお姉ちゃんがいい!一緒に寝たいなー!」
「良かったわ!それじゃあ、はあくんはアリスが使っていたベッドを使ってね」
「サンキュ、リコリス!」
ハルクが私のベッドに入り、さっさと横になってるし!さっきまで私が使ってたんだから、少しは…!気にしてるのは、私だけ?
「アリス。ほら、早くベッドに入って。冷えたでしょ?」
「う、うん…」
ベッドに入ると、お姉ちゃんに抱きしめられた。相変わらず良い匂いがする。いつもと違うけど、この匂いもリコリスお姉ちゃんに合ってる。
「リコリスお姉ちゃん…」
「ふふっ!」
何かリコリスお姉ちゃん、テンションが高いような…。お酒とか飲んでないよね??まだ成人してないし。
「そういえば、昨日はクリスマスなのに、言うの忘れちゃったわ」
「???」
「メリークリスマス!もうクリスマスは終わってしまったけれど」
「ううん。まだ終わってないよ!だから、私もメリークリスマス!リコリスお姉ちゃん」
私とリコリスお姉ちゃんは、顔を見合わせて笑った。
落ちついた頃、お姉ちゃんが言う。
「おやすみ。アリス…」
「おやすみなさい…」
額に何か柔らかいものが当たった気がするけど、私は確かめることもなく、眠りについた。
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