Lady Alice Ⅴ
翌日。
リコリスがアリスが帰って来る時間の少し前から、玄関口近くで待機していた。何故かオレまで一緒に。
「アリスはまだかしら?はあくん」
「そのうち帰って来るって」
ふと視線を感じて、振り返る。そこにタスクさんが離れたところから、こちらを見ている。オレだけをすげー睨んでる。
その時、外で車が停まった。それから車のドアを開閉する音。帰って来たのか?
隣を見れば、リコリスの姿はない。早っ。もうドアのところにいるし。そこへ玄関のドアが開き、アリスが入ってくる。
「ただいまー!」
「おかえり!アリス!!」
「リコリスお姉ちゃん!?」
帰って来たばかりのアリスを抱きしめるリコリス。そんなリコリスに驚くものの、アリスも抱き返す。それを見ていると、オレの姿に気づいたのか、アリスが片手を上げる。
「ハルク。ただいま!」
「おかえり」
アリスの顔を見て、安堵した。どうやら寂しかったのは、オレもだったらしい。
【END】
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