Small Halloween




10月も下旬になり、ハロウィンが近づいてきたある日。

私が昔着ていたハロウィンの仮装衣装をリコリスに着せていた。



「リコリス、どう?きつくない?」

「ううん!だいじょうぶー!」


リコリスがくるりと、私の前で回ってみせる。可愛いなー!思わずニコニコしてしまう。



「リコ、にあうー?」

「うん。可愛い!似合ってるよ!」

「えへへ…」


魔女の格好をしたリコリスが嬉しそうに笑う。もう可愛い!可愛すぎる!私はリコリスに抱きつく。抱きつくと、リコリスはきゃっきゃ笑っていた。

この町内では、毎年、子供限定でハロウィンの仮装をして、色んな家を回り、やって来た子供達にお菓子を渡すというイベントがある。中には、参加しない家もあるので、そういうところは家の前に✕が書かれた紙を貼ることになっている。うちの近所は、意外に参加してくれるところは多いけれど。



「おねえちゃん、リコといっしょにまわるよね!やくそくしたもんね!」

「うん。一緒だよ」

「やったー!」


リコリスにも友達はいるんだけど、何故か私と回りたいと言う。友達との方がいいと思うんだけど。

先日、私が「私よりもお友達と回ったら、どうかな?」と言ったら、リコリスに大泣きされてしまった。あの時のリコリスは、珍しく私を困らせた。何度言っても、「やーだー!!リコは、アリスおねえちゃんといくのー!ぜったい!おねえちゃんがいいのー!」と言って、利かない。
結局、私が折れることにしたんだけど、今でもこれが正しかったのか、よくわからない。



「さて、当日の練習も兼ねて、髪もやろうか。そこのイスに座ってね」

「はーい!」


元気よく返事したリコリスが言われた通りにイスに座る。さて、私はブラシなどを必要な物を用意して、リコリスの髪を櫛でとく。



「痛くない?」

「だいじょうぶー!」


三つ編みにするけど、下だけより上から編み込んでいった方がいいかな。リコリスを更に可愛く見せるには、こっちの方がいいよね。よーし。リコリスを可愛くさせるぞー!



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