Cat Day




リコリスお姉ちゃんが体調を崩したと聞いて、私はリコリスお姉ちゃんの部屋にやって来た。


「リコリスお姉ちゃん、大丈夫!?」

「アリス。ええ、横になっていれば平気よ…」


お姉ちゃんは上半身だけを起こして、ベッドにいた。病弱な美少女!絵になる…!リコリスお姉ちゃんって、普段も儚げなイメージあるからな。


「お姉ちゃん。私に出来ることがあれば、何でも言ってね!」

「アリス!ありがとう。……そしたら、頼んでもいいかしら?」

「うん!何?何して欲しいの!?」


すると、お姉ちゃんはベッド脇にある引き出しを開けて、私に手渡す。ん?何これ。何故か、猫耳がついたカチューシャを渡された。


「お、お姉ちゃん???これは一体…?」

「それをつけて、私の看病をして欲しいの」

「ええっ!?」


看病はするよ!いつもリコリスお姉ちゃんには助けてもらってるから。でも、猫耳はいらなくない!?


「……………ダメ、かしら?」

「………うっ!」


上目遣いで攻撃をくらってしまった。しかも、リコリスお姉ちゃんだから、殺傷能力が高すぎる!


「わかったよ!リコリスお姉ちゃんの頼みなら」

「ありがとう。あと、これを着て」


今度はメイド服を渡された。うちにいる使用人が着ているものとは、また違うシックな感じの。
というか、私が着るの?サイズも私が着るサイズピッタリだし。


「これも着るの?」

「ええ。ダメ?」


またも上目遣い。しかも、首を斜めに傾げながらという。だから、殺傷能力が高いよ!


「わかった。着るよ!」

「嬉しいわ!早く着て見せて!」


というわけで、お姉ちゃんの衣装部屋で着替えた。その場で着替えようとしたら、衣装部屋で着替えてと勧められたからだ。
着替え終わり、リコリスお姉ちゃんの元に行くと、ベッド脇に座ってというから、言われた通りに座った。そしたら、お姉ちゃんがブラシを手に私の髪をとく。


「髪、やってあげる」

「自分でやるよ!」

「私がやるわ。アリスはジッとして。ね?」


私は、リコリスお姉ちゃんに髪を結んでもらった。ツインテールだ。久々にしたよ。看病するから、結んでいた方がいいよね。


「はい。これで完成ね!」

「え」


先ほどの猫耳カチューシャをつけられた。いつの間にリコリスお姉ちゃんの手元にあったの!?


「リコリスお姉ちゃん…」

「ふふ。可愛らしいわ…。アリス、私の看病をしてね!」


看病と言っても、そこまでではなかった。
ご飯を食べさせてあげたり、薬を飲む水を渡したり、タオルで汗を拭いたりするくらい。それ以外はお姉ちゃんとお喋りしているだけ。

でも、たまにこの格好で外に出るのが恥ずかしかった!顔から火が出るくらい真っ赤になってたよ。
幸い、ハルクに見られてなくて良かった…!そう言えば、帰ってから姿を見てないな。買い出しか、他の仕事でもしてるのかな?ま、いいか。この姿を見られなくて済んだんだし。






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