IF 後
それから半年後。
久々にアリスから連絡が入り、会うことになった。待ち合わせたのは、前と同じ喫茶店だ。
「はい。これ、お土産」
「サンキュ。リクと旅行に行ったのか。どうだった?」
「野暮なこと、言わないでよ!もちろん最高に決まってるでしょ!」
アリスが惚気やがった。昔なら絶対に考えられなかったよな。アリスからお土産を受け取り、礼を言う。アリスがドリンクのストローをくるくると回しながら、聞いてきた。
「あれから、リコリスお姉ちゃんとはどう?」
「お前のお陰で上手く行ってる。ありがとな」
「良かったー!じゃあ、プロポーズは?もうしたの?」
「それは、もう少し先だな。オレもリコリスも仕事を抱えてるから、それが落ちついてからって感じ」
取り合えず、リコリスの誕生日にプロポーズしようとは考えてるけどな。指輪は、既に買ってあるし。
そのことをアリスに話せば、ニコニコしながら、話を聞いてくれた。
「ラブラブだね!ハルク」
「まあな…」
「私も安心したよ!リコリスお姉ちゃんと会うのを控えて、ちょっと寂しいけど。……あ」
アリスがふと何かに気づいて、動きが止まった。どうしたんだ?
「どうした?……あ」
「……( ・`ω・´)」
振り返ると、そこにリコリスが立っていた。しかも、怒ってね?やべェ。これ、オレがアリスと浮気してると思われるんじゃ…。
「はあくん!!私に内緒で、アリスと会ってるなんて…( ;゚皿゚)ノシ」
「リコリス!?」
「私だって、ずっとずっとずーーーっとアリスと会いたいのを我慢してたのに!!」
怒るところは、そこかよ!普通、何でアリスといるのかって責めるんじゃねェの!?
「リコリスお姉ちゃん、誤解しないでね?私は二人の様子をハルクから聞いていただけで、何もないから」
「そんな誤解はしないわよ(^_^)」
「え?じゃあ、何で怒ってるの?」
「それははあくんがアリスを独占しているからよ。私にはダメだって言ってたのに」
オレ、そんなこと言ってねェし!
すると、リコリスはアリスの隣に座り、抱きついた。
「久々のアリス!あー、会いたかったわ!しばらくは補充させてね(*>∀<*)」
「リコリスお姉ちゃん。ちょっと苦し…」
「ごめんね?でも、しばらくは耐えてね!アリス。これは私のためでもあるから…(*^_^*)」
おいおい。リコリスのヤツ、とうとう人目を気にせず、アリスに抱きついてるぞ。周りもすげー見てるし。特に男達がな…。見せモンじゃねェぞ。
その後、リコリスからアリスを引き離して、喫茶店を出ることにした。だが、会計しているオレの隙をついて、リコリスはアリスの腕を掴み、うちのマンションにまで連れて行ってしまった。
結論。
リコリスからアリスを引き離すのは、無理。無理に引き離すと、その分の反動がすげェことがわかった。
「アリス!アリス~( ´∀`)」
「リコリスお姉ちゃん?私、そろそろ帰らないと、リクさんが帰って来ちゃうから…」
「うふふ( *´艸`)大丈夫よ。リクさんにはうちに泊まる許可はもらっているから!」
「いつの間にリクさんの連絡先を!?」
「秘密( ̄b ̄)今日は我が家で一緒に料理をしましょう!ほら、キッチンに行くわよ!アリス」
「え、待って。あ、ハルク!何とかして!」
アリスがオレに助けを求めていたが、オレは静かに首を振る。こうなると、リコリスはしばらくアリスしか見えねェし、もう好き勝手させることにした。
それにやっぱりリコリスは、こうでないとリコリスじゃねェからな。
【END】
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