Vacation Villa 前
8月も終わりに近づいた頃、私はアリスと二人、別荘にいた。
ここは良いわね。涼しいし、静かだし、何よりアリスと過ごせるし、最高よね( ☆∀☆)
「はぁ、幸せ…o(*´д`*)o」
「……リコリスお姉ちゃん…」
名前を呼ばれ、隣にいる天使が少し困った顔をしていた。あら、どうしたのかしら?
「なあに?アリス」
「あの、ね…」
「そろそろ離してやれよ。ソイツ、トイレに行きたいんだと」
アリスが言いかけた時、はあくんが先にそう言ってきた。
「ちょっと、ハルク!」
「何だよ。なかなか言えないお前の代わりに言ってやったんだよ、オレは。さっきから、お前、モジモジしながら、全然言わねェし。ここで漏らしたいのかよ」
「そ、そんなことないもん!」
「嘘つけ!」
はあくん、いつからいたのかしら。きっと私とアリスの邪魔しないようにはしてくれたんでしょうけど。
でも、怒った顔のアリスも可愛い(ノ≧▽≦)ノ
「トイレに行きたいの?」
「………うん。流石に4時間も座りっぱなしだから…」
ここに着いてから、私はアリスと中庭が見えるソファーで手を繋いで座っていた。景色がすっごいキレイなんだもの!アリスも喜んでたし。だから、つい二人で眺めていたんだけど。
でも、それから4時間も経っていたのね!時間は早いわね!あっという間。
「ごめんね。行ってきていいわよ」
「うん」
名残惜しいが、アリスの手を離した。アリスとはまた繋げるんだから。ソファーを立ち上がると、アリスは部屋を出た。
「リコリス。お前さ、浮かれすぎ」
「浮かれるのは当たり前じゃない!アリスと三日間もこの別荘で過ごせるのよ!邪魔者のアガットもいないし。ここでは、私がアリスの髪を整えたり、服もコーディネートするんだから( ・`д・´)毎日お揃いコーデにするの。楽しみ( *´艸`)」
「沢山持って行こうとして、クロッカスに止められてたのは、それか…」
そうなのよ。
アリスに似合う小物や服などを沢山用意しようとしてたら、クロッカスに止められたのよね。
クロッカスも一緒に来ているが、別の仕事でここにはいない。
「お前、ここにアリスと過ごせるからって、二人きりじゃないんだからな」
「そうね。でも、最低限の人数しかいないから( *´艸`)私達のお世話ははあくんとクロッカスだけだから、気が楽よ!」
「あまりハメを外すなよ」
「わかっているわ」
はあくんがお菓子や飲み物をソファー近くのサイドテーブルに置いた。小腹が空いたから、お菓子を手に取った。
「タスクさん、来たがってたぜ」
「タスクさんが?」
悪い人ではないと思うけど、まだ私の本性を見せられないのよね。そんな私の想いを読んだのか、はあくんが言った。
「あの人なら、お前がアリスに息荒くしてても引かねェよ」
「む。その言い方だと、私が変態みたいじゃないの!」
「オレからしたら、似たようなもん」
まあ、失礼しちゃうわ(`ε´ )私はアリスが大好きなだけよ!あら、このパウンドケーキ、おいしいわね。つい手が伸びてしまうわ。
「何の話をしてるの?」
「アリス。おかえり」
そこへアリスが戻って来た。私は、隣に座るように促す。すると、アリスは素直に私の隣にちょこんと座った。もーう可愛いわ( ´∀`)ニヤニヤが止まらないわね。
「ふふっ、はあくんが優しいって話してたのよ」
「えー、それはどうかな…」
「おい。アリス、どういう意味だ!」
「ほら。全然優しくないじゃん」
「……………うっ」
アリスにハッキリ言われ、はあくんは言葉をなくす。はあくん、本当に素直じゃないわね。
「お菓子、おいしい!」
「ええ、おいしいわね」
「うん!」
アリスは嬉しそうにお菓子を頬張る。この顔を見たさにどんどんお菓子をあげたくなっちゃうわね!
❰to be continued…❱
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