One Day

【side Alice】

温かくて、心地よい。夏で暑いはずなのに…。ゆりかごにいるみたいにゆらゆら揺れてるし。

あれ。私、誰かにおんぶされてる?誰?ハルクかな?
私は目を開ける。と、真っ直ぐな黒髪が見えた。

あれ?ハルクじゃない。じゃあ、カルロ?違うな。服が執事服じゃないし。匂いも違う。


……この匂い、もしかして…。



「起きちゃいましたか?」

「……………ぇ」


この声、やっぱりリク先生だ!?
私、リク先生におんぶされてたの!?何で!?さっきまで、パパの書斎で本を読んでたはずだよね?それがどうして、リク先生に…。
嬉しいけど、私、重くないかな!?



「アリスさん、インカローズさんの書斎にあるソファーで寝てたんですよ。ソファーで寝るよりはベッドで寝せた方がいいかと思って、今あなたの部屋に運んでいたところなんです」

「私、重くないですか!?起きましたので、今すぐに下りま…!」

「大丈夫ですよ。アリスさんはむしろ軽いくらいですから」


リク先生は優しくそう言ってくれたが、気を遣ってくれたんじゃ…。でも、リク先生のおんぶなんて、最初で最後かもしれないし、この際甘えちゃおう。それから部屋に着くまでの短い間、リク先生と話をした。

短かったけれど、私には幸せなひととき。

私、リク先生にもっと近づきたいな。今はまだ全然意識してもらえないのは、わかってるけど。でも、このままじゃ嫌だ。


よーし。私もリク先生に釣り合えるようにもっと勉強しよう!頑張るぞ!!





【END】
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