One Day

【side Lycoris】



「…はあ。可愛いわ( *´艸`)」


はあくんが送ってくれたアリスの写真を見ながら、ニヤニヤしてしまった。

幸い、一人だったから、この顔は誰にも見られなかったけど。トイレに来て、正解だったわ。


あー、もう帰りたい。今すぐに家に帰りたい!!
でも、まだ帰れないのよー!どうして、帰してくれないのかしら。

終わり次第、家に早く帰って、アリスとティータイムするんだから!あ、家に帰る前にアリスの好きな洋菓子店に寄ろうかしら?私とアリスと……はあくんの分を買わなくちゃね。

あ、クロッカス達使用人の子達にも何か買っていこうかしらね。皆のお菓子をお店で選ぶのって、結構楽しいのよね(≧▽≦)



「リコリス様。ごきげんよう」

「ごきげんよう」


廊下を歩いていたら、後輩達に声をかけられたので、笑いかけた。すると、両脇にいた子達が真ん中にいた子に小声で言う。「ほら、渡すんでしょ…」「せっかくのチャンスなんだから!」と。真ん中の女の子が私を真っ直ぐに見る。



「あの、良かったら、これどうぞ!」

「あら、なあに?」


私に紙袋を渡して来た。チラッと中を見ると、お菓子のようだ。これって、アリスが気に入ってるお菓子だわ( ・∀・)毎回、買って帰っては頬をパンパンにしながら食べてたのよ。リスみたいで可愛いかったわ(о´∀`о)



「こないだ、家族で旅行に行って来たんです。その時に買ったお土産で、リコリス様のお口に合えば良いのですが」

「旅行に行ったの?楽しめたのね?」

「はい、楽しかったです!」

「なら、良かったわ。いただいたお土産も家族と頂くわね。ありがとう」

「私も受け取って貰えて良かったです!」

「私も来月に旅行に行くの。その時にあなたのお土産を買ってくるわね」

「いえ!お返しは…」

「だめよ。もらってばかりはいけないわ。必ずお返しするから、待っていてね」

「ありがとうございます!私、リコリス様から貰えるのなら、いつまでも待てますから」


そう言って、後輩の子は一緒にいた子達と私に一礼をすると、去って行く。私は笑顔で手を振って、見送った。



「……………ふぅ…」


少し疲れちゃった。

学園に来てから、誰かしらの話を聞いていたから。話しやすいのかしら?私。

話を聞くのは、嫌なわけじゃないのよ。どの娘も可愛らしいから、話をしていても楽しいし。


だけど、一番はアリスなの!アリスの話が一番好きなの。私に聞いてもらいたいからって、一生懸命話してくれるの。聞いていながら、何度「可愛い!!」と叫びたくなることか(*>∀<*)ノ堪えてるけど。

この気持ち、誰もわかってくれないのよね。クロッカスもはあくんも聞いてはくれるんだけど。



……………
…………
………
……



ようやく帰れる!
私は鞄を手に持つと、すばやく席を立ち、友人やクラスメイト達に挨拶をして、教室を出た。迎えの車には先に連絡しておいたから、既に駐車場に来ている。あとは私が来るのを待っているだけ。


急げC=C=\(;・_・)/

昇降口まで来たが、私以外まだ誰もいない。うちのクラスが一番早かったのだろう。私は急いで靴を履き替えた時、「リコリスさん」と呼ばれた。この声は…!
振り返ると、私の予想していた人物がいた。



「アマリリスさん。どうしたの?」

「どうしたのじゃありませんわ!あなたを追いかけて来たんですのよ!」


それなら教室で行って欲しかったわ。それに私、急いでるんだから、空気を読んで。

彼女は、私と同じクラスのアマリリスさん。幼等部からの子で、同じクラスに何度かなったことあるけど、本当に空気が読めないのよ。読まないんじゃないの。読めてないのよね。他の子も呆れるくらいに。



「それで私に何か?」

「これからお茶会をしようとあなたを誘いに来ましたのよ!参加しますわよね!」


え、選択もさせてくれないの!?強制じゃないの!嫌よ。アリスと過ごすんだから((‘д’o≡o’д’))断らなくちゃ。



「申し訳ないけれど、先約があるの!お先に失礼するわ!」

「え、リコリスさん!」


私は昇降口から出ると、一目散に駐車場まで走った。うちの車を見つけて、すばやく乗る。
どうやら、アマリリスさんを振り切れたようだ。彼女、運動は苦手だったわね。

迎えに来てくれたノリさんに帰る前に洋菓子店に寄りたいと伝えると、向かってくれた。

さて、アリス達のお菓子を選ばなくちゃね!




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