Licorice's Birthday




今日はリコリスの誕生日。
いつもなら盛大にパーティーをやるのだが、本人の希望により、家族だけのこじんまりとしたものとなった。誕生日パーティーをやらなかったせいか、朝から沢山のプレゼントが屋敷に届く。そのせいか、使用人達はバタバタと動き回っていた。

主役であるリコリスは、両親や姉妹からプレゼントを受け取っていた。だが、その場所に何故かアリスがいない。それに対して、誰も何も言わない。リコリスもアリスの姿がないことはすぐ気づいていた。見かねて、両親や他の妹達に聞いても、「そのうち来る」としか言わない。



(アリスがいないわ。どうしちゃったのかしら?皆に聞いても、「そのうち来る」としか言ってくれないし。
私としては、アリスからの「お誕生日おめでとう!」を聞かないと始まらないのよ…( ノД`))


そこへ使用人三人で何やら大きい箱をリコリスの近くに運んで、置いてく。不思議に思いながら、リコリスは見ていた。使用人が離れると、クロノがリコリスの傍に来る。



「リコリス。これを開けてみてくれ」

「クロノ姉さん。随分と大きいプレゼントだけど、何が入っているの?」

「開けてみればわかるさ」


そう言われ、リコリスはリボンをほどき、箱を開ける。

中に入っていたのは───



「リコリスお姉ちゃん、お誕生日おめでとう!!」

「Σ(゚Д゚)」


勢い良くクラッカーを鳴らし、頭に大きな赤いリボンをつけたアリスが現れた。服も箱と同じ柄のワンピースを着ている。



「(え、何この可愛さ。天使かしら(´・ω・`)?)……クロノ姉さん、これは一体?」

「プレゼントに決まってるじゃないか」

「プレゼント??」

「リコリスお姉ちゃん、これ受け取って!」


アリスがリコリスに笑顔で小さめの手紙を渡す。そんなアリスにリコリスはというと───



(可愛い天使が私にラブレターをくれた…(*/∀\*)何て書いてあるのかしら。恋人にしてくださいと書いてあれば、迷わず恋人にするわ。沢山甘やかせて、私だけしか見えないようにして、一生離さないんだから(*>∀<*))


かなりヤバいことをリコリスは考えていることが判明した瞬間である。
早速、受け取ったリコリスは封を開ける。入っていたのは、手紙ではなく、花の形がしたメッセージカードだった。そこに何かが書いてあった。



「アリス独占券??(字まで可愛いわ(*≧з≦))」

「それは、私を独占出来る券なんだよ。期間は一年間だけど、何回でも使えるの!」

(アリスを独占出来る券!!これがあれば、常にアリスを独占出来るってこと?最高だわ( ☆∀☆))


嬉しさのあまり言葉を失っていたリコリス。そんなリコリスを見て、アリスはシュンとなる。



「リコリスお姉ちゃん、気に入らなかった?」

「違うわ!嬉しいに決まってるじゃない!最高のプレゼントよ!」


リコリスは箱の中にいるアリスを抱きしめた。アリスがはにかみながらも、リコリスの腰に手を回す。



(今までで一番の最高の誕生日プレゼントだわ゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚)



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